2018年09月25日

◆伊方原発3号機 運転停止命令取り消し 再稼働可能に

広島高裁

2018年9月25日 13時37分   NHKニュース

愛媛県にある伊方原子力発電所3号機について、広島高等裁判所は、運転停止を命じた去年12月の仮処分の決定を取り消し、運転を認めました。伊方原発3号機は去年の決定によって運転できなくなっていましたが、判断が覆ったことで、再稼働できる状態になりました。

愛媛県にある伊方原発3号機について、広島高等裁判所は去年12月、熊本県にある阿蘇山の巨大噴火の危険性を指摘し、今月30日までという期限つきで運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。

これに対し、四国電力は、決定の取り消しを求めて異議を申し立て、広島高裁の別の裁判長のもとで審理が行われてきました。

広島高裁の三木昌之裁判長は運転停止を命じた去年12月の決定を取り消し、運転を認めました。

決定の中で、裁判長は「伊方原発が運用されている期間中に阿蘇山で破局的な噴火が発生する可能性が根拠をもって示されているとは認められず、火砕流が到達する可能性が十分小さいと評価できる」という判断を示しました。

伊方原発3号機は去年の決定によって運転できなくなっていましたが、判断が覆ったことで、再稼働できる状態になり、四国電力は、速やかに準備を進める方針です。

一方、同じ伊方原発3号機をめぐり、別の住民が申し立てた仮処分については、今月28日に大分地方裁判所が判断を示すことになっています。


伊方3号機めぐる経緯

四国電力の伊方原子力発電所3号機は福島第一原発の事故の1か月後に定期検査のため運転を停止しました。
その後、事故を教訓とした新しい規制基準が設けられ、伊方原発3号機は3年前の平成27年に原子力規制委員会の審査に合格しました。

そして、愛媛県や地元の伊方町の同意も得て運転停止から5年余りたったおととし8月に再稼働し、去年10月に定期検査に入るまで1年余り運転を続けていました。

一方、伊方原発の運転に反対する広島県の住民などは運転停止を求める仮処分を申し立てていて、去年3月、広島地方裁判所は「住民が重大な被害を受ける具体的な危険は存在しない」として申し立てを退けました。

これに対して住民側は抗告し、去年12月、広島高等裁判所は、熊本県にある阿蘇山の噴火の危険性を指摘して、今月30日まで運転を停止するよう命じる期限つきの決定を出しました。

この決定によって、伊方原発3号機は定期検査で運転を停止した去年10月以降、再稼働できない状態が続いています。

四国電力は異議を申し立て、広島高裁の別の裁判長のもとで改めて審理が行われてきました。


仮処分の争点は?

伊方原発3号機の仮処分では、主に自然災害に対する安全性をめぐって争われました。

1つ目の争点は、「火山の噴火の影響」です。
伊方原発は、熊本県の阿蘇山からおよそ130キロの場所に位置しています。去年12月、広島高裁は「阿蘇カルデラの噴火の可能性が十分に小さいとは判断できず、過去最大の噴火の際に伊方原発の場所に火砕流が到達した可能性も小さいとは評価できない」と指摘しました。
また、原発の運転に影響を与える火山灰の量についても「四国電力の想定は少なすぎる」として、運転の停止を命じました。

これに対して四国電力は異議を申し立て、「マグマだまりの状況や性質などから巨大噴火の可能性は極めて低く、過去最大の噴火の際も火砕流は到達していない」などと主張しました。
また、「火山灰の想定は妥当だ」としたうえで、非常用発電機の吸気口に火山灰が詰まり原発が冷却できなくなる可能性については、フィルターを取り付けるなどの対策をとったと主張しました。

一方、住民側は「現在の火山学の水準では巨大噴火の可能性を否定することはできず、原発事故で住民の生命や身体に重大な被害を与える具体的な危険性がある」などと主張しました。
火山灰については「四国電力の想定は少なすぎるうえ、フィルターによる対策が有効なのか十分な実験や検証が行われていない」などと主張しました。

2つ目の争点は、「地震の想定が妥当かどうか」です。全国の原発では想定される最大規模の地震の揺れ、「基準地震動」がそれぞれ設定され、重要な設備や機器はその揺れに耐えられるよう設計することが求められています。

四国電力は、原発の北側およそ8キロにあり、四国から近畿にかけて伸びる「中央構造線断層帯」と九州の「別府ー万年山断層帯」の合わせて長さ480キロの断層が連動した場合も想定して、最大の揺れを算定しました。
その結果、「中央構造線断層帯」のうち、原発の近くにのびる長さ69キロの区間がずれ動いた場合に最も大きな揺れになるとして、基準地震動を650ガルと算定し原子力規制委員会も了承しました。

これまでの審理で四国電力は「断層が長大なものだったとしても、ずれ動く大きさは一定の範囲を超えないため、現在の想定は妥当だ」などと主張しました。

一方、住民側は「長大な断層がずれ動いた場合に一定の範囲を超えないかどうかについては不確かな要素があり、揺れの想定が妥当ではない」などと反論しました。


巨大噴火に関する規制委の考え方

原子力規制委員会が、東京電力福島第一原発の事故の後に策定した規定では、原発を建てられる場所の条件として「巨大噴火が影響を及ぼす可能性が十分小さいこと」をあげています。

そのうえで、実際の審査では、巨大噴火の活動間隔や地殻変動の観測データなどを総合的に評価して、巨大噴火が差し迫った状態にあるかどうかや原発の運用期間中に発生するという科学的な根拠があるかどうかを確認するとしています。

一方、現在の知見では、巨大噴火の発生時期や規模を正確に予知することは困難とされ、火山学会は、噴火予測の限界やあいまいさの理解が不可欠だと指摘しています。

原子力規制委員会の審査については、九州電力川内原子力発電所の運転差し止めを求める仮処分の申し立てを退けたおととし4月の福岡高等裁判所宮崎支部の決定でも、「噴火の時期および規模が相当前の時点で的確に予測できることを前提にしている」として、「不合理と言わざるをえない」と批判されています。

こうした中、原子力規制委員会は、ことし3月、巨大噴火の評価に関する「基本的な考え方」示しました。
この中では、巨大噴火を想定した法規制や防災対策が、原子力以外の分野では行われていないことを理由に「巨大噴火によるリスクは社会通念上容認される水準と判断できる」として、審査の進め方に問題はないという考えを示しています。

しかし、「巨大噴火によるリスクは社会通念上容認される水準」という考え方についても、長期間にわたって広範囲に被害が及ぶ原子力災害と一般防災を単純に比較しているなどとして、日本弁護士連合会が合理的ではないと批判しています。


遅くともことし中には再稼働か

伊方原発3号機は、去年12月、広島高等裁判所が運転停止を求める仮処分を決定したとき、国の定期検査を受けている途中でした。

このため、四国電力が3号機を再稼働させるには、運転停止中に交換した原子炉の設備などについて国の検査が残っているため、これらをクリアする必要があります。

そのうえで、プールで貯蔵している核燃料157体を数日間かけて原子炉の中に移します。
その後、徐々に温度や圧力を上昇させ、通常であれば、およそ1か月程度で原子炉を起動するということで、遅くともことし中には再稼働するとみられています。

◆京都 幕末から明治 豪商所蔵の資料展

09月25日 14時07分  NHK関西ニュース

京都・嵐山の豪商の家に残された、幕末から明治末期にかけての資料を紹介する展示会が、京都市で開かれています。

この展示会は、京都市右京区の嵯峨嵐山で、江戸時代から材木商を営んだ豪商、「小山家」に残された資料を紹介しようと、京都産業大学が開きました。

会場には、幕末から明治末期までの装束や絵図など、9点が並べられています。
このうち、火事の見回りの際に身につけたとされる「火事装束」は、羽織やはかま、家紋入りの胸当てなどが、ほぼ未使用の状態で残されていて当時、どのようないでたちで活動したのかがうかがえます。

また、明治33年に記された冊子「嵯峨のもさ引」は、地元の団子屋の主人が、客に観光名所を紹介するために作成したガイドブックです。
天龍寺や渡月橋などの名所だけでなく、今では失われた「桑酒」などのご当地グルメも紹介されています。
学芸員の川上由里絵さんは、「古い物を展示しているので、こんなに珍しい物が、京都にはあるんだということを知ってほしい」と話しています。

この展示会は、京都市下京区の京都産業大学むすびわざ館で、来月6日まで開かれています。

◆エンジェルス 大谷 今季21号ホームラン

2018年9月25日 11時22分   NHKニュース

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が24日、アナハイムで行われているレンジャーズ戦に3番 指名打者で先発出場し、1回の第1打席で今シーズン21号となるホームランを打ちました。

◆東京五輪・パラへ ゲリラ豪雨予測

新システムの初実験

2018年9月25日 9時58分  NHKニュース

再来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、局地的な大雨、いわゆるゲリラ豪雨を予測する新たなシステムを開発し、競技の進行の調整などに生かすことを目指して、実際の催しの中でこのシステムを使う初めての実験が都内で行われました。

夏に開かれる東京大会の円滑な運営を目指して、国は、レーダーで積乱雲が発達していく過程を素早く立体的に捉え、局地的な豪雨のエリアや雨量を、早ければ30分前に予測するシステムの開発を進めています。

このシステムを実際の催しで使って来場者の避難に生かそうという初めての実験が、23日までの2日間、東京 千代田区で開かれた「日韓交流おまつり」で行われました。

会場に設置されたパソコンの画面には、レーダーが捉えた雲の様子と、そのエリアで予想される30分後までの雨量が表示され、1分おきに最新のデータに更新されていました。

さらに、気象予報士が落雷や突風のおそれを分析し、催しを運営する関係者に無線で伝えていました。

この2日間は小雨が降った程度で、避難などの対応は発生しませんでしたが、会場には、東京大会の組織委員会の担当者も視察に訪れ、熱心に見入っていました。

催しの実行委員会の川西太士さんは「ゲリラ豪雨はイベントの運営上のリスクになるので、いち早く対策をとれればとても有効です」と話していました。

大会組織委員会のイノベーション推進室の浅川善宏戦略企画課長は「気象の予測があれば、円滑に競技を進行できるので、このシステムの活用を前向きに検討したい」と話していました。

国は、今後も実験を重ねて予測の精度を高め、東京大会での実用化を目指すことにしています。

◆中秋の名月に奈良で「采女祭」

09月25日 08時49分  NHK関西ニュース

奈良時代、月夜に池に身を投げたとされる女官の霊を慰める伝統行事、「采女祭」が中秋の名月だった24日夜、奈良市で行われました。

「采女祭」は奈良時代、天皇に仕える女官「采女」が、天皇のちょう愛が薄れたことを嘆き、月夜に身を投げたという伝説にちなんで、毎年、中秋の名月の夜に行われています。

観光名所として知られる奈良市の猿沢池では、雅楽の調べのなか、女官にふんした女性たちが色鮮やかな2そうの船に乗り、灯ろうが浮かべられた池をゆっくりと進みました。

そして、池の中央に秋の七草などで飾られた2メートルほどの大きさの扇を投げ入れ、采女の霊を慰めました。
24日夜の奈良市はあいにくの曇り空でしたが、時折、雲間から漏れる淡い月明かりのもと、池のほとりには大勢の人たちが集まり幻想的な行事に見入っていました。

大阪から小学生の子どもと訪れた女性は「一度見たいと思っていたのでよかったです。とてもすてきで来年は別の場所からも見てみたいです」と話していました。

2018年09月24日

◆タイガー・ウッズ 5年ぶり優勝

米男子ゴルフツアー

2018年9月24日 7時16分   NHKニュース

男子ゴルフのアメリカツアー、プレーオフ最終戦は23日、ジョージア州アトランタで最終ラウンドが行われ、アメリカのタイガー・ウッズ選手がスコアを1つ落としたものの通算11アンダーで優勝を果たしました。42歳のウッズ選手はツアー優勝は2013年以来5年ぶりで、これで歴代2位の通算80勝となりました。

アメリカツアーのプレーオフは第1戦から最終第4戦まで獲得しているポイントによって出場選手の数が徐々に絞り込まれ、最終戦には上位30人が出場し、今シーズンの総合優勝を争いました。

ウッズ選手は最終ラウンドを2位と3打差の単独トップでスタートし、前半は1番で早速バーディーを奪ってスコアを伸ばし、後半は10番でこの日初めてボギーをたたきましたが、13番でバーディーパットを沈めるなど最後までリードを守りました。

ウッズ選手は最終ラウンド、バーディー2つ、ボギー3つでスコアを1つ落としましたが、通算11アンダーとして初日からの首位を守って優勝を果たしました。

ウッズ選手のアメリカツアーの優勝は2013年以来5年ぶりで、歴代2位の通算80勝となりました。

一方、この日、16位でスタートした松山英樹選手はバーディー6つ、ボギー1つでスコアを5つ伸ばし、通算6アンダーで4位でした。

今シーズンの総合優勝を果たした年間王者には、この大会で4位に入ったイギリスのジャスティン・ローズ選手が初めて輝きました。


タイガー・ウッズ「精いっぱいやった」

5年ぶりのツアー優勝を果たしたタイガー・ウッズ選手は「とにかく精いっぱいやった。難しいコンディションの中でよいプレーをすることができた。ショットのたびに観客が応援してくれて本当に泣き出しそうで、これほど楽しめた試合はない」と笑顔で振り返りました。

そして最終戦で優勝を飾ったことについて、「今シーズンのはじめはとてもじゃないが自分は無理だろうと思った。しかし、自分のスイングを見つけるたびに自信を深めてついにここまで来ることができた」と話していました。


歴代2位の80勝 スキャンダルや警察に逮捕も

タイガー・ウッズ選手はアメリカ・カリフォルニア州出身の42歳。豪快なショットと正確なパッティング、そして勝負強さを持ち合わせ、プロ1年目の1997年、21歳の時に海外メジャー大会のマスターズ・トーナメントで初優勝を果たすなど次々に勝利を重ねました。

華々しい活躍の一方、スキャンダルでも注目を集め、2009年にはフロリダ州で起こした自動車事故をきっかけに女性問題が次々と明るみに出て、一時、プロゴルファーとしての活動を自粛しました。

ここ数年は故障にも悩まされたほか、去年は意識がもうろうとした状態で車を運転したとして警察に逮捕されるなどして海外メジャー大会の優勝は2008年から、ツアー優勝は2013年から遠ざかっていました。

本格的にツアーに復帰した今シーズンは3月の大会で2位に入るなど調子を上げ、先月の海外メジャー大会、全米プロ選手権でも2位に入っていました。

今回の優勝で、ツアー大会は歴代最多のアメリカの故サム・スニードさんの82勝に迫る歴代2位の80勝となりました。


松山「ショットが安定してきた」

松山英樹選手は今シーズンを振り返って「自分の求めているレベルではないが一時期の悪い時期に比べたらショットが安定してきたと思う。シーズンを通してトップ10前後でプレーできる力をつけて、たまにはトーナメントをリードできるプレイヤーになっていけたら」と話していました。

◆展示会で文化財の盗難防止を 和歌山

09月24日 07時49分  NHK関西ニュース

和歌山県内で仏像などの文化財が盗まれる被害が相次いでいることから、盗難防止への意識を高めてもらおうと、盗まれた後に取り戻すことができた仏像などを集めた展示会が和歌山県立博物館で開かれています。

会場には、実際に盗まれた後、取り戻すことができた仏像など44点が展示されています。
この中には、ことし3月に和歌山県紀の川市の西山観音堂から盗まれ、6月になって警察に届けられた「木造十一面観音立像」も展示されています。

また、県立博物館では、防犯対策として本物の仏像などを博物館で保管する代わりに、3Dプリンターでレプリカを作成する取り組みも行っていて、会場には、これまでに作成された13点のレプリカも展示されています。

和歌山県立博物館の大河内智之主査学芸員は、「仏像は転売目的で盗まれ、インターネットオークションなどで売りさばかれます。この展示会を地域のお寺やお堂などの防犯対策を見直すきっかけにしてほしい」と話していました。

この展示会は10月4日まで開かれています。

2018年09月23日

◆“脱プラ”で商機到来! 製紙大手で代替品の開発相次ぐ

2018年9月23日 12時04分  NHKニュース

プラスチックごみを減らそうという取り組みが世界的に広がる中、日本の大手製紙会社の間では、プラスチック製品に代わる紙製の新商品を開発する動きが広がっています。

このうち、王子ホールディングスはスナック菓子の袋などにも使える包装紙を開発しました。

紙の表面に特殊な薬品を塗り、酸素や湿気を通しにくくしたということで、来年中の量産化を目指したいとしています。

また、日本製紙は果物や野菜などを使った飲み物、「スムージー」などを紙の容器に詰めるための専用の機械を開発し、キャップ付きの紙の容器とともに、来年度から飲料メーカーに売り込むことにしています。

馬城文雄社長は今月開いた新商品発表の記者会見で、「紙製のパッケージの開発は、『脱プラスチック』の潮流の中で、企業の強みになってくる。スピーディーに対応したい」と述べました。

プラスチックごみをめぐっては、アメリカのスターバックスが、プラスチック製の使い捨てストローを2020年までに廃止すると打ち出すなど、削減に向けた取り組みが世界的に広がっています。

国内の製紙業界は人口減少に加えて、なるべく紙を使わない「ペーパーレス化」などにより、厳しい経営環境が続いていて、各社はプラスチック製品の代わりとなる紙製品を開発することで、新たな収益源にしたい考えです。

◆米建築家の文化財建物を公開 近江八幡市

09月23日 12時38分   NHK関西ニュース

明治から昭和にかけて滋賀県を中心に活躍したアメリカ出身の建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが手がけ、国の登録有形文化財となっている2つの建物が近江八幡市で特別公開されています。

製薬会社の「近江兄弟社」を創業したことでも知られるウィリアム・メレル・ヴォーリズは、明治から昭和にかけて滋賀県近江八幡市を拠点に全国で1600にも及ぶ建物の設計に携わった建築家で、近江八幡市内にも20棟あまりが残されています。
そのほとんどはふだんは公開されていませんが、建物を所有する近江兄弟社や地元の観光協会ではヴォーリズの業績を広く知ってもらおうと、国の登録有形文化財の2棟の建物を今月から特別公開しています。

このうち明治40年に完成した「アンドリュース記念館」は、ヴォーリズが建築家として初めて設計した木造3階建ての建物で、畳の間や瓦が敷かれた屋根などヴォーリズ建築ならではの和洋折衷のデザインが随所に見られます。

兵庫県から家族で訪れた50代の女性は、「ヴォーリズの設計した建物は落ち着きがあり、癒やしを感じる場所だと思いました」と話していました。

この特別公開は、10月14日までの土曜と日曜、祝日に行われています。

◆「こうのとり」7号機搭載のロケット 打ち上げ成功

2018年9月23日 5時42分   NHKニュース

国際宇宙ステーションに物資を運ぶ日本の宇宙輸送船「こうのとり」の7号機を載せたH2Bロケットが23日午前2時52分すぎ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、およそ15分後に予定どおり「こうのとり」を切り離して打ち上げは成功しました。

「こうのとり」7号機を載せたH2Bロケットは23日午前2時52分すぎ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。

ロケットは打ち上げのおよそ2分後に4本の補助ロケットを切り離し、およそ6分後には1段目を切り離して上昇を続けました。

打ち上げからおよそ15分後、予定どおり高度287キロ付近で「こうのとり」7号機を切り離して打ち上げは成功しました。

「こうのとり」は地球の上空400キロ付近を回る国際宇宙ステーションに物資を補給する無人の宇宙輸送船で、今回の7号機には、宇宙飛行士の生活物資や実験機器のほか、国際宇宙ステーションの主電源となっている日本製のリチウムイオン電池など、これまでで最も重いおよそ6.2トンの荷物が積み込まれています。

また今回初めて、直径80センチ余りの回収カプセルが搭載され、国際宇宙ステーションでの科学実験で得た成果物をこのカプセルに入れ、地球に送り返す技術の実証が行われることになっています。

打ち上げは当初、今月11日の予定でしたが、悪天候やロケットのバルブに異常が見つかるなどして、たびたび日程が見直され、日本の主力ロケットとしては過去最多となる4度、打ち上げが延期されました。

「こうのとり」7号機は今月27日の夜に国際宇宙ステーションにドッキングする予定です。


「こうのとり」米ロの宇宙輸送船の2〜3倍の大きさ

「こうのとり」は国際宇宙ステーションに物資を運ぶ日本の宇宙輸送船です。

直径4.4m、長さ10mの円筒形で、一度に最大でおよそ6トンの物資を運ぶことができます。

現在、国際宇宙ステーションに食料や物資を運ぶ役割は、アメリカの「シグナス」と「ドラゴン」、ロシアの「プログレス」、日本の「こうのとり」の合わせて4種類の宇宙輸送船が担っていますが、「こうのとり」の輸送能力はほかの輸送船の2倍から3倍もあり、世界最大です。

「こうのとり」は9年前の平成21年に1号機が打ち上げられたあと、これまでに合わせて6回打ち上げられ、すべて成功しています。


「H2Bロケット」過去6回の打ち上げ すべて成功

「H2Bロケット」は、国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人の宇宙輸送船「こうのとり」を打ち上げるためJAXA=宇宙航空研究開発機構などが開発した大型のロケットです。

国産の主力ロケット「H2A」の改良型で、1つだったメインエンジンを2つに増やして推進力を増し、ロケットの直径も太くして内部に積める燃料を1.7倍に増やしました。

こうした改良によって、荷物を積むと重さが16トン余りにもなる「こうのとり」を地球の上空400キロ付近の国際宇宙ステーションに向けて打ち上げることができるようになりました。

「H2Bロケット」はこれまでに6回、「こうのとり」を搭載して打ち上げられ、すべて成功しています。


「こうのとり」で運ぶ物資は

「こうのとり」7号機は、宇宙飛行士の生活物資や宇宙ステーションで行う実験の試料など、これまでで最大の6.2トンの物資を国際宇宙ステーションに運びます。

運ばれる物資は生鮮食料品や衣服などの生活物資のほか、宇宙ステーションで行った科学実験の成果物を地球に持ち帰るためJAXAなどが開発した回収カプセルや、日本の実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出する静岡大学などが開発した超小型衛星3機などが運ばれます。

また6号機に続いて、国際宇宙ステーションの主電源となる京都市の電池メーカーが開発したリチウムイオン電池のバッテリー6台が運ばれ、交換作業が行われます。

このバッテリーはこれまで使われてきたアメリカ製のバッテリーと比べ、蓄えられる電気の量が3倍になり、10年間使用できるということです。

このほかESA=ヨーロッパ宇宙機関が開発した生命維持装置が運ばれ、実証実験が行われます。

この装置は、水を電気分解して酸素と水素を作り、発生した水素と船内から除去した二酸化炭素を反応させて再び酸素の元になる水を作り出すことができるということです。


「回収カプセル」は有人宇宙飛行につながる技術

「こうのとり」7号機には、国際宇宙ステーションで行われた科学実験の成果物を地球に持ち帰るため小型の回収カプセルが搭載され、はじめての実証実験が行われます。

回収カプセルは円すいに近い形をしていて、底面の直径84センチ、高さおよそ66センチで、JAXAなどが開発しました。

カプセルの側面には「スラスター」と呼ばれるガスの噴射装置が8個取り付けられ、ガスをさまざまな方向に噴射することでカプセルの姿勢を制御することができます。

世界で初めて小惑星からのサンプルリターンに成功した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルには姿勢を制御する機能はありませんでした。

JAXAによりますと、姿勢を制御せずに大気圏に突入するとカプセルの表面温度はおよそ3000度まで上がるとともに大きな衝撃が加わりますが、姿勢を制御すると表面温度はおよそ2000度までに抑えることができ、衝撃も緩和できるということです。

またカプセルは、病気の仕組みの解明や新薬開発のために無重力状態で結晶化したたんぱく質などを運ぶため、内部の温度を低く保つ必要があります。

そのためカプセル内部には水筒などで使われる「まほうびん」の技術が採用されています。

大阪のまほうびんメーカーが開発に加わり、保冷剤だけで1週間以上4度を保つことができるカプセルを完成させました。

回収カプセルは「こうのとり」の先端に取り付けられ、国際宇宙ステーションを離れたあと、高度300キロ付近で切り離されて大気圏に突入します。

「こうのとり」本体は燃え尽きますが、カプセルはスラスターを噴射しながらコースを調整し、高温を耐えて、小笠原諸島の南鳥島近海の目標地点に着水し、船で回収されます。

回収カプセルの大気圏突入は11月上旬ごろ実施される見通しです。

国際宇宙ステーションから物資を持ち帰る技術を持つのは現在、アメリカとロシアだけで、回収カプセルを成功させ日本が独自に技術を持つことで、科学実験の効率化やコストダウンのほか、将来、宇宙飛行士を乗せる日本初の有人宇宙船の開発にもつながると期待されます。


JAXA技術領域主幹「ここからが本番」

「こうのとり」7号機の開発に携わったJAXAの田邊宏太技術領域主幹は「打ち上げが成功してほっとしています。『こうのとり』はロケットから分離された時点でミッションの成功に向けたバトンを受け取ったと考えているので、ここからが本番という気持ちで確実に取り組んでいきたい」と話していました。

今月15日、打ち上げ前の最終点検でロケットのバルブに異常が見つかって打ち上げが延期となり、その後の調査でバルブの部品の変形が明らかになったことについて、三菱重工業の二村幸基打上執行責任者は、なぜ変形したかは現在も調査中で、原因が判明しない場合、来月打ち上げが予定されているH2Aロケットの部品を交換する可能性があると述べました。

そのうえで「機体のトラブルで打ち上げを延期し、関係者にご心配をおかけして残念です。新たな課題が見つかったという気持ちなので今後に生かしたい」と話していました。