2013年11月14日

◆安倍首相、駐日韓国大使と面会

〜対話姿勢示す〜

安倍首相は13日、首相官邸で、李丙●イビョンギ駐日韓国大使の表敬訪問を受けた。(●は、王へんに其)

首相が李大使と面会するのは初めて。

表敬は約25分間行われ、李大使が「早いうちに過去を整理し、未来に向かって進めていく指導者になってほしい」と述べたのに対し、首相は「(日韓関係改善に向けて)最善を尽くしていこう」と応じたという。いわゆる従軍慰安婦問題や韓国人徴用工問題などの懸案は話題に上がらなかった。李大使が会談後、記者団に明らかにした。

日韓関係を巡っては、朴槿恵パククネ大統領が、首脳会談やメディアで日本批判を繰り返している。首相は「対話のドアは常にオープン」と公言しており、大使との面会にあえて応じることで、対話に前向きな姿勢を示す狙いがあるとみられる。

(2013年11月13日21時33分 読売新聞)

2013年11月12日

◆社説:秘密保護法案を問う

〜歴史研究〜

(毎日新聞 2013年11月12日 02時31分)

◇検証の手立てを失う

特定秘密保護法案は、国民の共通の財産であるべき公文書の保管、公開を著しく阻害する恐れがある。これでは、政府は後世の歴史的審判を逃れてしまいかねない。

歴史の検証に欠落ができてしまうのは、すべての国民にとっての損失だ。私たちは、政治や社会の有りようを将来の歴史的審判にゆだねなければならない。それでこそ、人類は歴史から教訓を学びとり、未来を思い描くこともできるのだ。

歴史学の6団体の代表がこのほど、特定秘密保護法案に反対する声明を出した。同時代史学会代表の吉田裕(ゆたか)・一橋大大学院教授は、公文書にアクセスしにくくなるうえ、廃棄される危険を指摘する。

また、「オーラル・ヒストリー」(政治家や官僚に直接に話を聞き、記録する手法)もやりにくくなると懸念する。聞き取りの対象者は慎重になり、研究者も萎縮しかねない。

近年盛んになった「オーラル・ヒストリー」は文書史料では得にくい歴史的真実を浮き彫りにする成果を収めている。たとえば、「聞き書 野中広務回顧録」(御厨貴(みくりやたかし)、牧原出(まきはらいづる)編・岩波書店)もその一つだろう。歴代内閣を裏で支えた元自民党幹事長の証言は、新しい事実も交えて、生々しく政治状況を描き出している。こうした貴重な記録を残せないのでは、大きな損失だ。

一方、民主党政権によって、日米密約に関する外交文書がなくなってしまった問題が調査された。不自然な欠落があることが外務省の有識者委員会で報告された。そのうえ、元外務省条約局長は国会で、核持ち込みなどの関連文書の一部が破棄された可能性を指摘した。

こんなことを繰り返すと、歴史研究が偏ったものになってしまう。

アメリカや英国では国家秘密も一定期間を過ぎれば公開される原則がある。日本で公文書が公開されないと、歴史家は外国の史料を中心にして、日本の外交を検証するしかない。それでは見方が一方的になりかねない。歴史とは多角的に光をあてることで、全体像が見えてくるものだ。

こういった懸念を払拭(ふっしょく)するには、特定秘密も一定年数を経ると公開する原則を定めることや、秘密指定の妥当性について第三者機関がチェックする仕組みが必要だ。

歴史研究が妨げられることは単に専門家たちの問題ではない。研究の積み重ねが、やがて教科書にも生かされ、国民全体に共有されていく。現代の専門家が困ることは、未来の国民が困ることにつながる。

2013年11月11日

◆福島復興:「全員帰還」を転換

〜与党提案〜

<毎日新聞(最終更新2013年 11月11日 16時49分)>

自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部は11日、東京電力福島第1原発事故の被災者対策に関連し、高線量で長期間帰還が困難な地域の住民への移住支援や、放射性廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設・管理への国費投入を柱とする「福島復興加速化案」を安倍晋三首相に提言した。

民主党前政権時代から続く「住民の全員帰還」や、東電が賠償、廃炉や除染費用を賄う「汚染者負担の原則」を転換する内容。政府は提言を基に具体策作りを急ぐが、帰還・移住計画策定や国費投入拡大には住民や国民の反発も予想される。

福島復興加速化案は、それぞれ本部長をつとめる自民党の大島理森前副総裁と公明党の井上義久幹事長が官邸で安倍首相に提言。安倍首相は「政府としても廃炉、汚染水処理、中間貯蔵の問題、賠償など、国がしっかり前へ出る考え方で、与党とともに取り組んでいきたい」と述べ、加速化案の具体化を急ぐ考えを示した。

福島県内11市町村は、線量に応じて「帰還困難区域」(年50ミリシーベルト超)▽「居住制限区域」(年20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)▽「避難指示解除準備区域」(年20ミリシーベルト以下)に分けられている。

加速化案はこのうち双葉町や浪江町などが含まれる「帰還困難区域」など被災者に対し、長期にわたり帰還できない現実を踏まえ、賠償拡充を通じ他の地域での住宅確保などを容易にすることで移住を支援する考えを打ち出した。一部の被災者から「新たな場所で生活を始めたい」との要望が出ているためだ。

 一方、「避難指示解除準備区域」など線量が比較的低い地域は優先して除染作業を実施。医療機関や商業施設の整備なども急ぎ、住民の早期帰還を促す。除染をしても線量はなかなか下がらず、早期帰還の対象となる区域でも空間線量は平常時に一般の人が浴びても差し支えないとされる「追加被ばく線量限度(年1ミリシーベルト以下)」を上回ることが予想される。

この点に関し、加速化案は「1ミリシーベルトは長期目標」と明記。事故からの復旧期には、「国際放射線防護委員会(ICRP)」が年1〜20ミリシーベルトを「許容範囲」としていることを根拠に、住民個人の実際の線量データを基にきめ細かい被ばく低減策を講じることで早期帰還につなげる道筋を示した。

2013年11月09日

◆「知る権利」に配慮強調

〜秘密保護法案審議〜

安全保障の機密情報を外部に漏らした国家公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案は8日、衆院国家安全保障特別委員会で実質審議入りした。

政府・与党は、特定秘密の指定対象を安全保障の機微にかかわるものに限ることなどを説明し、野党の理解が得られるよう努める考えだ。

法案は特定秘密の指定対象について、〈1〉防衛〈2〉外交〈3〉スパイ防止〈4〉テロ対策――の4分野のうち、特に漏えい対策が必要な情報と定めている。法案担当の森消費者相は8日の特別委で、指定範囲について「従来の秘密の範囲を拡大するものではない」と述べた。

森氏は、特定秘密に指定される可能性がある例として、原子力発電所の警備計画を挙げた。一方で、放射性物質の拡散予測システム、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の情報は指定対象にならないとの見解を示した。

法案では、国民の「知る権利」が制約されるという懸念に配慮し、報道機関の取材について「著しく不当な方法と認められない限りは正当な業務」と記した。記者が特定秘密を得た場合に報道機関が家宅捜索を受ける可能性を問われ、森氏は「ない」と否定した。

(2013年11月9日09時17分 読売新聞)

◆小泉元首相の「原発ゼロ」批判

〜元秘書官飯島氏〜

飯島勲内閣官房参与は8日夜、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、小泉純一郎元首相が原子力発電に依存しない「原発ゼロ」を主張していることについて、「ドイツやスペインは(太陽光発電の)負担を上乗せして困っている。日本がそのような状態に陥ることが国民にとって幸せか」と述べ、批判した。

飯島氏は、政務の首相秘書官として小泉内閣を支えた。小泉氏が原発ゼロを主張する理由については、「小泉氏の感性で、それはそれでいいのではないか。ただ、国の指導者は全体像を見てやっていかないといけない」と強調した。

(2013年11月8日23時00分 読売新聞)

◆自民:「東電、破綻処理せず」

〜大島本部長が明言〜

(毎日新聞 2013年11月09日 03時00分)

自民、公明両党は8日の与党政策責任者会議で、東京電力福島第1原発事故からの復興加速化案となる与党提言を了承した。

自民党の東日本大震災復興加速化本部の大島理森本部長は毎日新聞の取材に「東電が事故責任を果たし、安定した電力供給をするため、東電を破綻させないことが前提だ。政府とも議論した結果で、ご理解いただけると確信している」と強調。自公両党は11日、提言を安倍晋三首相に提出する。

提言は住民が帰還可能な低線量区域を優先する除染計画のほか、中間貯蔵施設建設などへの国費投入を明記。東電全額負担の方針を転換し、早期の生活再建を目指している。大島氏は「東電が自己改革しながら頑張ることが、国民の理解を得られる道と判断した」と述べ、東電にも合理化徹底を求めた。

避難住民の「全員帰還」方針を事実上転換することについて、大島氏は「『あなたは帰れる』『帰れない』と国が決めるわけではない。被災者自身が判断できる環境を示す」と説明した。提言では今後、何年間帰宅が難しいかなどの見通しを政府が示すことや、移住による生活再建策の強化も盛り込んでいる。【高本耕太】

2013年11月08日

◆「取材の萎縮効果大きい」

〜秘密保護法案:与党内からも異論〜

<毎日新聞(最終更新2013年 11月08日 00時41分)>

7日衆院で審議入りした特定秘密保護法案を巡り、与党内からも反対や修正点を指摘する声が上がっている。政府は残り1カ月を切った臨時国会で成立を目指すが、問題点を置き去りにしてスピード決着を図れば、世論の反発だけでなく「身内」からも異論が噴き出す可能性がある。【青島顕】

弁護士の富田茂之・公明党衆院議員は「個人的には反対だ」と言い切る。党内で法案を審査した10月22日の会議で異論を述べ、途中退席したという。「立法事実(法案の必要性)がない」。過去15年間の公務員の主要な情報漏えいとして安倍晋三首相が挙げた5件については「現行法で処罰ができている」。公明党の要請で出版・報道を「正当な業務」とした法案修正は一定の評価をしながらも「取材の萎縮効果は大きい」と懸念する。

8日から特別委員会での審議が始まるが「議論を相当きちんとやらなければいけない」とくぎを刺した。

自民党では、村上誠一郎・元行革担当相が党総務会を退席し「本当に国民の知るべき情報が隠されないか」と述べたが、法案を懸念する議員は他にもいる。

「秘密の指定がその時の大臣の判断によってくるくる変わりうるという。国民にとって恐ろしい不安材料にならないか」。10月25日、安倍首相の参院予算委員会での答弁を引いてツイッターで発信したのはベテランの丹羽雄哉元厚相。取材に対し「国家機密には反対しない。だが、範囲が不明確で、権力者の考え次第で変わりうる印象だ。(成立すれば)マスコミだけではなく、市民や国会議員だっておっかなくて抑制的になる」と表情を曇らせた。

「法案には賛成」だが、各論で異なる意見を持つ人もいる。自民党の中山泰秀衆院議員は秘密指定された文書が後世に残るのかを心配する。「米国のように最初に情報の価値判断をして、これは30年後、こっちは75年後と年限を決めて原則公開すべきだ。法案は5年ごとに秘密を更新するというが、その間に扱いが変わり、後に残せるか不明確だ」と保存ルールの明確化を主張する。

2013年11月05日

◆山本議員に責任の取り方確認へ

(11月5日 16時17分  NHKニュース)

参議院議院運営委員会の理事会は、山本太郎参議院議員が秋の園遊会で天皇陛下に文書を手渡したことを巡って協議し、岩城委員長が、5日にも山本氏と会って、出処進退も含めた責任の取り方について、考えを聞くことになりました。

山本太郎参議院議員が、先月31日に開かれた秋の園遊会の会場で、天皇陛下に文書を手渡したことを巡っては、政府や与野党から行動を問題視する声が上がっており、参議院議院運営委員会は、5日、理事会を開き、改めて対応を協議しました。

この中で出席者からは、「非常識な行動だ」という指摘や、「許される行動ではなく、山本氏みずから出処進退を明らかにすべきだ」という意見が出されました。

これを受けて、岩城委員長が、5日にも山本氏と会って、出処進退も含めた責任の取り方について、考えを聞くことになりました。

また5日の理事会では、日本維新の会のアントニオ猪木参議院議員が、国会の許可を得ないまま北朝鮮に渡航したことについて、「何らかの処分が必要だ」という認識で一致し、猪木氏が7日帰国するのを待って、改めて協議することになりました。

◆国家戦略特区法案を閣議決定

〜今国会成立目指す〜

政府は5日午前の閣議で、特定の地域を指定して医療、教育、農業などの分野で規制緩和を行う国家戦略特区法案を決定した。

新興企業の進出や海外からの投資を呼び込み、経済を活性化するのが狙いだ。政府は、特区を安倍政権の経済政策「アベノミクス」の柱である成長戦略の目玉と位置づけており、法案の今国会成立を目指す。

政府は、年明けにも首都圏など3〜5か所程度の特区を指定し、早ければ2014年度中に特区をスタートさせたい考えだ。

法案では、首相に権限を集中し、首相を議長とした「国家戦略特区諮問会議」で特区の基本方針決定や地域指定などを行うことを明記した。各特区ごとに設ける「国家戦略特区会議」で特区担当相、地方の首長、民間事業者が特区の具体的な内容を定める「特区計画」を作る。

特区内では、外資系企業の新規進出などを見込み、都心部のオフィス近くに居住空間を多数作ることができるよう、マンションの容積率緩和など、土地利用規制を大幅に緩和する。2020年夏季五輪・パラリンピック東京大会開催に備え、来日・滞在外国人向けに賃貸住宅などを宿泊施設として使えるよう、旅館業法の特例も設ける。

<(2013年11月5日11時34分 読売新聞)>

◆与野党対決色強まるか

〜特定秘密保護法案〜

(11月5日 4時25分  NHKニュース)

国会は、「特定秘密保護法案」を巡って、与党側が7日に衆議院で審議に入り今月中旬には参議院に送って成立させたいとしているのに対し、野党側は国民の知る権利を侵すおそれがあるなどとして今のままでは反対する姿勢を見せており、今後、与野党の対決色が強まることも予想されます。

国会は、外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議を創設する法案を巡って、与党側が、6日に衆議院の特別委員会で安倍総理大臣が出席して質疑と採決を行い、7日の衆議院本会議で可決して参議院に送りたいとして、野党側と調整しています。

そして与党側は、国家安全保障会議を創設する法案を7日に参議院に送ったあと、その日の衆議院本会議で、特に秘匿が必要な安全保障に関する情報を保護する「特定秘密保護法案」の審議に入り、今月中旬には参議院に送って今の国会で成立させたいとしています。

これに対し野党側は、国民の知る権利を侵すおそれがあるなどとして、共産党、生活の党、社民党が反対しています。

また民主党、日本維新の会、みんなの党も、今のままでは賛成できないとしており、このうち民主党は、国が公文書を非公開としたことが妥当かどうかを裁判所が判断する仕組みを盛り込んだ情報公開法の改正案も採決するよう求めています。

また維新の会は、特定秘密の範囲を防衛に関わるものに限定するなどとした修正案を国会に提出する準備を進めており、国会は「特定秘密保護法案」を巡って、今後、与野党の対決色が強まることも予想されます。