2013年08月20日

◆70〜74歳医療費、引き上げ

〜来年度にも2割に〜

政府は19日、社会保障制度改革の手順を定める「プログラム法案」の骨子を自民、公明両党に提示し、了承された。

現在1割に据え置いている70〜74歳の医療費窓口負担(自己負担)を2014〜17年度に本来の2割に引き上げるとしたほか、高所得者の介護サービスの自己負担を15年度に引き上げることなどを明記した。

政府は21日に骨子を閣議決定し、秋の臨時国会に法案を提出する。

法案骨子は、政府の社会保障制度改革国民会議が今月5日にまとめた最終報告書を踏まえたものだ。報告書に盛り込まれた医療、介護、年金、少子化対策の各分野における改革案について、実施時期などを明確にした。

70〜74歳の医療費窓口負担の引き上げは法律改正の必要がなく、政府は早ければ14年度に実施したい考えだ。医療分野ではこのほか、〈1〉低所得者の国民健康保険料引き下げ〈2〉所得に応じた高額療養費の自己負担限度額の見直し〈3〉財政が悪化している国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に移管――についても14〜17年度の間に実施する。

また、医療費助成の対象となる難病を拡充する法案を14年の通常国会に提出する。

(2013年8月19日22時49分 読売新聞)

2013年08月19日

◆日ロ 北方領土交渉進め方協議

(8月19日 5時1分   NHKニュース)

日本とロシアの外務次官級の協議が19日モスクワで開かれ北方領土問題を巡る交渉の進め方などについて意見が交わされる見通しで、政府は、ことし秋から年明けにかけて、日ロ間の首脳会談や外相会談などを重ねることで、交渉を加速させたい考えです。

19日、モスクワで開かれる次官級の協議には、日本から杉山外務審議官、ロシアからモルグロフ外務次官が出席します。

この中では、安倍総理大臣とプーチン大統領がことし4月、北方領土問題を巡る交渉を再スタートさせ、双方に受け入れ可能な形で最終的な解決を図り、平和条約の締結を目指すことで合意したことを踏まえ、今後の交渉の進め方などについて意見が交わされる見通しです。

また、石油・ガスなどのエネルギー協力や、極東・東シベリア地域の開発に向けた経済協力などを巡っても協議が行われる見込みです。

日ロ両政府は、19日の外務次官級の協議に続いて、来月上旬にロシアのサンクトペテルブルクで開かれるG20サミットに合わせて首脳会談を行うほか、ことし秋から年明けにかけて、ラブロフ外相と岸田外務大臣が日本とロシアを相互に訪れる方向で調整を進めていて、政府としては、さまざまなレベルで協議を重ねることで、北方領土問題を巡る交渉を加速させたい考えです。

◆1年待て・年1%ずつ増税も

〜本田内閣官房参与〜

安倍首相の経済政策ブレーンの本田悦朗内閣官房参与は18日のNHKの番組で、2014年4月からの消費税率引き上げについて、「デフレから今、脱却しつつあるその瞬間に、消費税を増税するのはいかにもタイミングが悪い。1年間待ってほしい」と述べた。

また、1年に1%ずつ税率を引き上げ、5年かけて10%とする案も提案した。

 本田氏は「(民主、自民、公明の)3党合意の時には(首相の経済政策)アベノミクスの『ア』の字もなかった。もう一度日本にとって一番良い政策を検討すべきだ」と語った。

(2013年8月18日18時59分 読売新聞)

2013年08月18日

◆無人偵察機:配備前倒し

〜14年度以降3機 防衛省〜

(毎日新聞 2013年08月18日 02時30分)

防衛省は来年度予算の概算要求で、高高度滞空型無人偵察機グローバルホークを導入する費用を計上する方針を固めた。日本が無人偵察機を導入するのは初めて。

2014〜18年度で3機購入し、地上施設整備も含めた費用は1000億円前後となる。民主党政権が16年度以降の導入を検討していたが、中国・北朝鮮への警戒・監視の能力向上が急務として、導入時期を前倒しする。年内に公表する新たな中期防衛力整備計画(中期防)にも明記する。

グローバルホークは米ノースロップ・グラマン社製の無人航空機。上空1万6000メートル前後の高空から、周辺を飛ぶ航空機の監視や電波の収集などを行う。最長34時間の連続飛行が可能だ。機能は偵察に限られ、攻撃能力は持たない。

防衛省は今年度予算で調査費100万円を計上。中国軍の動きが活発化している南西諸島周辺や、北朝鮮のミサイル発射など、24時間体制の警戒・監視が必要な場面で活用する。

米軍は現在、中国・北朝鮮などの警戒にあたるグローバルホークをグアムのアンダーセン空軍基地に配備している。来年度以降は台風が多い夏季に限り、三沢基地(青森県三沢市)にも展開させる方針。しかし米国は財政難から国防予算の削減を迫られており、「グローバルホークを自衛隊に導入し、米軍が果たしている役割を担ってほしいと日本に強く求めていた」(政府関係者)という。

日本周辺の情報収集、警戒・監視の強化は、日米両政府が進める日米防衛協力指針(ガイドライン)改定の柱となる。日本政府は、グローバルホークなどを用いた通常の警戒・監視や情報収集・分析をめぐる対米協力について、「実力の行使を伴わず、集団的自衛権の行使には当たらない」との立場だ。

一方、日本財政が厳しさを増す中、高額なグローバルホークの導入には批判も予想される。このため防衛省は、日本の安全保障環境の悪化に加え▽警戒監視衛星などに比べて費用対効果が高い▽11年の東京電力福島第1原発事故で米軍の無人機が現場を撮影したように、災害・事故時の情報収集も強化できる−−などの利点を挙げ、理解を求める。【青木純】

◆自衛隊出動、法制懇提言へ

〜武装勢力の離島占拠に〜

政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」(座長=柳井俊二・元駐米大使)は、集団的自衛権を巡る憲法解釈の見直しに加え、日本への「武力攻撃」と言えないレベルの紛争でも自衛隊が十分な武器使用を伴って対処できるような法整備を提言する方針を固めた。複数の関係者が語った。

想定されているのは、沖縄県の尖閣諸島など離島を武装外国人が上陸・占拠したり、他国部隊との突発的な衝突が生じたりするケースだ。自衛隊法では、個別的自衛権に基づく自衛隊の防衛出動は、他国から武力攻撃を受けるか、武力攻撃の明白な危険が切迫している場合にしか発令できない。

武力攻撃とは、政府見解では「外部からの組織的、計画的な武力の行使」と定義されており、武装外国人による離島占拠や突発的な衝突のようなケースは、これに当てはまらないとされている。

憲法解釈上は、こうしたケースで個別的自衛権を行使できるのかどうかは「グレーゾーン」とされ、確立されていないという。

(2013年8月18日03時04分 読売新聞)

2013年08月17日

◆首相、国家安保戦略年内策定へ

〜エネルギー、海洋分野も〜

安倍晋三首相は、外交・安全保障の総合的な指針となる「国家安全保障戦略」を年内に策定する方針を固めた。従来の外交・防衛政策の枠にこだわらず、エネルギーや海洋、食糧、文化、宇宙など幅広い分野に関する対外戦略をまとめる。

9月中旬をめどに有識者会議を設置し答申を受けた上で、閣議決定する見通しだ。複数の政府関係者が17日、明らかにした。

安倍政権は集団的自衛権に関する憲法解釈の見直しに前向きで、積極的な資源エネルギー外交も展開。一方で中国の東シナ海進出に直面するなど複雑な国際環境に置かれている。このため、中長期的な視点で諸課題に取り組む必要があると判断した。

<2013/08/17 19:05 【共同通信>

◆自衛隊法、国際標準に転換

〜集団的自衛権は「地理」「国益」で歯止め〜

(2013.8.17 02:00   産經ニュース)

集団的自衛権行使容認に向けた有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇、座長・柳井俊二元駐米大使)が今秋にもまとめる報告書で、自衛権についてポジティブ(できること)リストからネガティブ(できないこと)リストへの転換を提言することが16日、分かった。

集団的自衛権の行使に関しては全面的に容認する一方、「地理」「国益」を尺度に一定の歯止めをかけることも提起する。

法制懇の主要メンバーは産経新聞の取材に、「自衛隊法をポジリストからネガリストに改めることが不可欠だ」と明言。時々刻々と変転し、複合的に起きる危険性も高まっている事態に対処するには集団的自衛権を含め事態の「類型化」は無意味で、「自衛隊の行動を細かく縛るべきではない」との認識も示した。

「権利は有するが行使はできない」との解釈に立ってきた集団的自衛権の行使を容認した場合、政府は行使する事態や条件を規定する国家安全保障基本法を制定する。

自衛隊の行動や権限を定めた自衛隊法の改正も必要で、主要メンバーの発言は同法改正を念頭に置いたものだ。

現行の自衛隊法は、防衛・治安出動や海上警備行動など「事態」を明確に区分した上で「対応措置」を規定しており、自衛隊の行動も定めている。逆に規定していない行動は取れないことを意味する。

法制懇メンバーはすでに、「ポジリストが自衛隊の行動を制約している元凶だ」との認識で一致。同法について「市民への加害」「捕虜虐待」など国際法で禁じられている行動以外は可能とするネガリストへの転換を提起する。

さらに、集団的自衛権に関し、第1次安倍晋三内閣時に検討した「公海上の米艦防護」など4類型のような提言ではなく、「(権利が)あるかないかの判断」として「法理的な全面容認」を求める。

ただ(1)サイバー攻撃対処(2)シーレーン(海上交通路)防衛(3)ミサイル防衛(4)共同訓練中の対処−など新たな脅威は法制懇に小委員会を設け対処のあり方を議論する。

座長の柳井氏は今月4日のNHK番組で「地球の裏側まで行って関係ない国を助けるわけではない」と述べ、遠方での事態や日本の国益に直結しない事態では行使を控えるよう提言することを示唆。政府もこうした歯止めをかけ、行使容認に慎重な公明党の理解を得たい考えだ。

2013年08月16日

◆防衛予算2・9%増…概算要求

〜F35購入費も〜

防衛省は、2014年度の防衛予算について、前年度比約1400億円(2・9%)増となる4兆8900億円とし、今月末締め切りの概算要求に盛り込む方針を固めた。

複数の同省幹部が15日、明らかにした。

増額は、円安で燃料や物品購入の円建て価格が上昇したことに伴う部分が大きい。防衛省は年末の予算編成過程で、防衛装備品の購入費を積み増すよう、財務省と調整する考えだ。

13年度の防衛予算は、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発などで厳しさを増す安全保障環境をにらみ、対前年度比で11年ぶりのプラスとなった。今回の概算要求では、離島防衛を想定した水陸両用車や、航空自衛隊の次期主力戦闘機F35の購入費を盛り込む。

(2013年8月16日09時17分 読売新聞)

2013年08月15日

◆首相、早期の首脳会談目指す


〜中韓関係改善なお困難〜 

安倍首相は15日、中韓両国が反対する靖国神社への参拝を見送ったのをきっかけに、冷え込んだ関係の改善に向け中断している首脳交流の早期再開を目指す。

一方、稲田行政改革担当相は15日午後、安倍内閣の閣僚として、この日3人目となる参拝に踏み切った。アジア諸国への加害責任と反省を明言しなかった全国戦没者追悼式での首相あいさつと合わせ、中韓両国の反発に拍車を掛ける恐れがあり、近隣外交の立て直しは容易ではない。

首相は尖閣諸島や竹島をめぐり関係が悪化した中韓両国に対し、首脳や外相レベルの会談呼び掛けを強めている。対話を再開させることで米国の信頼を得たい考えだ。

<2013/08/15 17:27 【共同通信】>

◆終戦記念日:平和風化させない

〜首相、加害責任に触れず〜

<毎日新聞 最終更新 2013年08月15日 13時00分)>


68回目の終戦記念日を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれ、天皇、皇后両陛下や遺族ら6091人が参列した。安倍晋三首相は式辞で、歴代首相が言及してきたアジア諸国の戦争犠牲者に対する加害責任に明確には触れず、「歴史に謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を胸に刻みつつ国の未来を切り拓(ひら)く」と述べた。

歴代首相は1993年の細川護熙首相(当時)を踏襲し、「深い反省」や「哀悼の意」を表明してきた。安倍首相も6年前の式辞では「アジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた」と述べていた。

一方で首相は戦没者に「あなた方の犠牲の上に平和と繁栄がある。片時たりとも忘れない」と感謝の念を示し「世界の恒久平和に貢献し、万人が心豊かに暮らせる世を実現するよう全力を尽くす」と述べた。

式典は正午前に始まり、国歌斉唱と首相式辞の後、正午に全員が1分間の黙とうをささげた。続いて天皇陛下が「戦禍に倒れた人々に心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈る」とおことばを述べた。衆参両院議長らの追悼の辞の後、遺族代表らが献花。

日中戦争と第二次大戦の戦没者は軍人・軍属約230万人と民間人約80万人。厚生労働省によると、参列予定の遺族で戦後生まれは635人(13.2%)と2年連続で1割を超えた。戦没者の子の世代は70歳以上が8割を超え、遺族の高齢化を改めて印象づけた。

安倍首相は、集団的自衛権に関する憲法解釈を見直し、行使を容認する方向で検討しているとされる。憲法96条の先行改正にも意欲を示している。憲法の「変質」が現実のものとなりつつある中で、終戦の日を迎えることになった。

昨年9月に国有化した尖閣諸島(沖縄県)周辺では、中国公船による領海侵入が続くなど、周辺諸国との領土問題も、くすぶり続ける。【遠藤拓】