2014年07月01日

◆自公 閣議決定案で合意へ

〜集団的自衛権の〜

(7月1日 5時26分  NHKニュース)

自民・公明両党は、1日午前7時半から与党協議を開き、従来の憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定案で合意する見通しです。

これを受けて、政府は1日中に臨時閣議を開いて、閣議決定を行うことにしていて、戦後日本の安全保障政策は大きな転換点を迎えることになります。

集団的自衛権などを巡る、11回目の与党協議は1日午前7時半から開かれ、政府側が従来の憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の最終案を示すことになっています。

最終案は、「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、必要最小限度の実力を行使するのは自衛の措置として憲法上許容されると判断するに至った」などとしています。

自民・公明両党は、この最終案で合意する見通しで、直ちにそれぞれの党内の了承手続きに入ります。

これを受けて、政府は総理大臣官邸で、NSC=国家安全保障会議の「9大臣会合」に続いて臨時閣議を開き、1日中に集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行うことにしています。

そして、安倍総理大臣が記者会見し、行使の容認を決定した理由などについて説明することにしています。
集団的自衛権を巡って、歴代政権は「保有しているが、行使はできない」という憲法解釈をとってきましたが、行使を容認する閣議決定によって、戦後日本の安全保障政策は大きな転換点を迎えることになります。
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自衛隊 より厳しい環境下での活動も

今回の閣議決定案については集団的自衛権以外にも海外派遣などの際、自衛隊がこれまでより厳しい環境の中での活動を求められることになるのではと指摘されている点があります。

まず、海外派遣や、朝鮮半島有事における自衛隊の活動範囲は「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」、いわゆる「非戦闘地域」や「後方地域」に限定されてきました。

それが今回の案では、「地域」ということばや、「活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがない」という条件がなくなり、「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所という表現になっていて、活動範囲の拡大が可能になるという指摘があります。

仮に、その現場で戦闘が始まれば、「直ちに活動を休止・中断する」としていますが、自衛隊員が、これまでよりリスクの高い現場での活動を求められることになると指摘する意見もあります。
また、今回の案で、自衛隊員がPKOなどの際に、武器の使用を迫られる可能性が高まるのではないかという指摘もあります。

今回の案では、相手が「国家または国家に準ずる組織」ではない場合、武力行使には当たらないとして、いわゆる駆けつけ警護や正当防衛や緊急避難ではなく、PKOでの警告射撃といった任務を遂行するための武器使用、それに海外の日本人の救出に伴う武器の使用を、派遣した国の同意を条件に認めるとしています。

このため相手が軍ではなく、例えば犯罪グループだった場合、隊員が武器を使用するケースも出てくる可能性があります。

このほか、共同訓練を含む日本の防衛にかかわる活動中であれば、アメリカの艦艇などについても、自衛隊の護衛艦などを守る場合と同じ理屈で武器を使用できるようにするとしていて、自衛隊員が海外などで、武器の使用を迫られる可能性が高まることになると指摘する意見もあります。


「自衛隊の支援活動制約なく自由に」

安全保障が専門で、拓殖大学海外事情研究所の所長の川上高司さんは、閣議決定案を評価する立場から、「国際情勢が激しく変化するなか、集団的自衛権の行使容認はすぐにでも取り組むべき課題だったので、タイミングを得た決断だといえる。また、日米安全保障条約の下でアメリカに一方的に守ってもらうだけでなく、日本もアメリカに借りを返すことができるので、外交上も、ものが言いやすくなる」と指摘しています。

また、海外派遣などの際の自衛隊の活動範囲が、「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所とされ、従来より活動範囲の拡大が可能な内容になっているという指摘について、川上さんは「自衛隊の支援活動については、制約なく自由に部隊の安全を確保しながら活動できるようにすべきで、細かな制約を設けるべきではない」と話しています。

さらに一定の条件の下、PKOでの武器使用の緩和や、いわゆる駆けつけ警護などを認めるとしていることについては「従来の武器使用にあまりにも制限がありすぎて、自分自身され守れなかった。また、駆けつけ警護は人道的観点からも認めるべき活動だったので、こうした課題がクリアされる方向で話が進んでいることは評価できる。こうした活動が可能になれば、ほかの国の軍隊からも信頼を勝ち得るようになる」と話しています。


「相応の犠牲の覚悟迫られるのでは」

元防衛官僚で自衛隊のイラク派遣当時、内閣官房副長官補を務めた国際地政学研究所理事長の柳澤協二さんは閣議決定案に慎重な立場から、「従来の日本が攻撃を受けた場合という明確な歯止めがなくなり、ほかの国の戦争に日本も参加することになる。さらに戦争に伴う自衛隊員や国民の犠牲といったマイナス面を無視したまま話を進めようとしており問題だ」と指摘しています。

また、海外派遣などの際の自衛隊の活動範囲が、「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所とされ、従来より活動範囲の拡大が可能な内容になっているという指摘について、柳澤さんは「銃撃戦の現場に近いところに自衛隊を派遣したいという思惑があるとしか考えられない内容だ。当然、リスクは高まるし、相応の犠牲を覚悟しなければならなくなる」と話しています。

さらに、一定の条件の下、PKOでの武器使用の緩和や、いわゆる駆けつけ警護などを認めるとしていることについては「海外で1発の銃弾も撃ってこなかったという自衛隊への国際的な評価が変化せざるを得なくなる。さらに自衛隊員に犠牲が出る危険性もあり、それでもなお、自衛隊が得意とする人道復興支援以外の分野でも国際貢献を行うのかどうかを考えるべきだ」と話しています。

2014年06月30日

◆日朝協議予定どおり

〜ミサイル改めて抗議〜

(6月30日 5時20分  NHKニュース)

日本と北朝鮮の政府間協議が来月1日、中国の北京で開かれ、日本側は、拉致被害者などの全面的な調査を行うため、北朝鮮が設置する「特別調査委員会」の組織や権限などについて説明を受けることにしています。

また、北朝鮮が29日に弾道ミサイルを発射したことを取り上げ、改めて抗議することにしています。

北朝鮮は29日の朝、朝鮮半島の東岸から複数の弾道ミサイルを日本海に向けて発射しました。

政府は、弾道ミサイルの発射は国連安全保障理事会の決議などに違反しているとして、29日に北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議するとともに、30日に安倍総理大臣や関係閣僚が今後の対応を協議することにしています。

ただ来月1日、中国の北京で開催することで合意している北朝鮮との政府間協議については、菅官房長官が「拉致問題や日本の特定失踪者の交渉ごとで極めて人道的なことだ」と述べるなど、予定どおり行うことにしていて、日本側は、この場で弾道ミサイルの発射を取り上げて改めて抗議し、国連安保理決議などを順守するよう強く求めることにしています。

政府間協議には、日本側から外務省の伊原アジア大洋州局長らが、北朝鮮側から、ソン・イルホ日朝国交正常化担当大使らが出席する予定で、日本側の代表団は30日、北京に向かうことにしています。

今回の政府間協議で、日本側は、拉致被害者などの全面的な調査を行うため北朝鮮が設置する「特別調査委員会」の組織や権限などについて、北朝鮮側から説明を受けることにしています。

そして、北朝鮮の説明を日本に持ち帰り、あらゆる機関を対象に調査する権限が与えられているかなど、「委員会」が実効性のある調査を行える組織かどうか慎重に見極めたうえで、日本独自の制裁措置の一部解除を判断することにしています。
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「特別調査委」の焦点は

政府は来月1日の政府間協議で、拉致被害者などの「特別調査委員会」について北朝鮮側から説明を受けることにしていて、焦点は「特別調査委員会」にどのような「権限」が与えられているかです。

2004年に北朝鮮が拉致被害者の再調査を行った際、北朝鮮側は「拉致問題には特殊な機関が関わったため調査が難しかった」などと説明して、日本側が納得できる調査結果を示さなかった経緯があります。

日本政府としては、今回の調査が同じような結果に終わるようなことがあってはならないとして、「委員会」に、北朝鮮国内のあらゆる機関を対象に調査できる強い「権限」が与えられ、調査の実効性が確保できるかどうかを見極めたいとしています。

政府関係者は、委員会がキム・ジョンウン第1書記の直属の機関であるかどうかや、北朝鮮の秘密警察に当たる「国家安全保衛部」の幹部らがメンバーに入っているかどうかといった点に注目しています。

◆省庁再編構想、続々

〜スポーツ庁、宇宙庁も〜

(2014年06月29日 15時11分  読売新聞)

政府・自民党内で、小規模な中央省庁の再編構想が進んでいる。

 文部科学省と防衛省の外局として、それぞれスポーツ庁と防衛装備庁を2015年度に新設することは、ほぼ固まった。政府内には組織肥大化を懸念する声もあり、15年度予算の概算要求へ向け、関係省庁と財務省の綱引きが活発化しそうだ。

 「こういうのは勢いもあるしね。丁寧に、丁寧にと言って出来るわけでもない。勢いのあるうちに進めた方がいい」

 安倍首相は27日、首相官邸で、スポーツ庁設置を提言しに訪れた超党派のスポーツ議員連盟プロジェクトチーム座長の遠藤利明自民党衆院議員らに対し、秋の臨時国会への関連法案提出に強い意欲を示した。

 スポーツ庁には、文科省スポーツ・青少年局の一部や、厚生労働省の障害者スポーツ担当部門などが移管される見通しだ。文科省は、20年東京五輪・パラリンピックへ向けた国内の盛り上がりを背景に、「スポーツ行政を一手に担う官庁として体制を強化したい」(文科省幹部)考えだが、財務省は定員増加には難色を示している。

 防衛装備庁は、防衛省で航空機や車両といった装備品の研究開発、購入を担当する技術研究本部、装備施設本部などを統合する。研究開発から購入までを一元的に扱い、効率化するとともに、武器輸出3原則に代わる「防衛装備移転3原則」に対応するのが目的だ。政府は来年の通常国会に関連法案を提出し、15年度中の発足を目指す。

 防衛省は幹部ポストの増設などで少しでも体制を充実させたい考えだが、財務省はやはり「スクラップ・アンド・ビルドが原則だ」(主計局幹部)と警戒している。

 一方、内閣官房と内閣府については、意義が薄くなった部署の縮小や、他省庁と重複する部門の統廃合などが検討され、自民党の行政改革推進本部(本部長・望月義夫衆院議員)が秋までに改編案をまとめ、政府に提言する。このほか、自民党内では宇宙開発などを担う宇宙庁構想や、厚生労働省の分割論も浮上している。

 省庁再編は霞が関官僚の抵抗や関係省庁間の縄張り争いを誘発しかねず、首相周辺は「踏み出せば大きなエネルギーを使う。慎重に進める必要がある」と話す。

2014年06月29日

◆公明党、地方に理解求める

〜集団的自衛権で〜

(2014年06月28日 21時35分  読売新聞)

公明党は28日、集団的自衛権の行使容認を巡る憲法解釈の見直しについて、党の地方組織の意見を聞くため、都道府県本部幹部らを集めた「県代表懇談会」を党本部で開いた。

参加者からは、地方に慎重論が根強いことなどが報告されたが、与党協議会の経緯などを踏まえ、山口代表が「憲法9条の規範は全く変わるものではない」と説明し理解を求めた。党執行部は、7月1日に予定される新解釈の閣議決定後も、説明を続ける方針だ。

 懇談会には、全都道府県本部から約70人が参加した。出席者からは、行使容認への反対論のほか「地方には慎重な意見が非常に多い」「平和の党としてなかなか厳しい」といった意見も相次いだ。一方、「安全保障法制で議論できるのは公明党しかいない。公明党が責任を放棄したらどっちに向くかわからない。連立政権に残るべきだ」との声もあった。

2014年06月28日

◆石破氏 他の発言者も名乗りを

〜セクハラやじ問題〜

 自民党の石破茂幹事長は28日、東京都議会のセクハラやじ問題に関し、鈴木章浩都議=自民会派離脱=以外の発言者も名乗り出るよう求めた。「政治家としての潔さが必要だ。自発的に名乗り出ることが求められる」と述べた。鳥取市内で記者団の質問に答えた。

 都議会で「別の発言者」に名乗り出るよう要求する決議案が最大会派の自民党などによって否決されたことを念頭に「これで幕引きではない」と強調した。

 同時に「次の選挙で審判を受けることになる。今の状況では、自民党は国民や都民から評価されていない」と厳しい認識を示した。

<2014/06/28 17:51 【共同通信】>

◆集団自衛権行使個別状況で判断

〜政府想定問答〜

(2014年06月28日 08時54分  読売新聞)

集団的自衛権行使の憲法解釈見直しに向け、政府がまとめた想定問答集の内容が27日、わかった。

米艦防護やシーレーン(海上交通路)での機雷掃海など政府が与党協議会に示した事例に集団的自衛権が行使できるかどうかについて、「事例のような活動は可能になるが、実際には個別具体的な状況に即して判断する」と説明している。

 一方で、集団安全保障に関しては、「湾岸戦争のような戦闘には参加しない」と強調。「国連安全保障理事会が決議を採択しても、(自衛権発動の)新3要件を満たす活動を途中でやめなければならないわけではない。国際法上は国連安保理決議が根拠となる場合でも、新3要件を満たす武力行使は、憲法上、我が国の自衛の措置として許容される。実施できる活動が集団的自衛権が根拠となる場合より広がることはない」とし、国際法と憲法上の解釈を切り離し、活動を可能とする見解を明示した。

◆集団的自衛権8事例全て可能に

〜自公調整が決着、法整備へ〜

 政府は、集団的自衛権の行使容認が必要だとして与党に示した「邦人輸送中の米輸送艦の防護」や「米国に向かうミサイルの迎撃」「強制的な停船検査」など8事例全てを可能とする法整備に本格的に着手する方針を固めた。

 行使容認の憲法解釈変更が7月1日に閣議決定される見通しとなったのを受けた対応。政府筋が27日、明らかにした。自民、公明両党の27日の協議で解釈変更に関して大きな異論はなく、閣議決定の前提となる与党調整は事実上決着した。

 米艦防護や停船検査が可能になれば、仮に米国と北朝鮮が交戦状態に陥った場合、自衛隊参戦の可能性が高まる。

<2014/06/28 02:00 【共同通信】>

◆公明・山口氏、首相に注文

〜「備えと同時に日中対話を」〜

(2014年6月28日01時33分  朝日新聞)

公明党の山口那津男代表は27日、和歌山市内で講演し、集団的自衛権の行使容認をめぐる与党協議について「来週どこかで結論が出せればいいなと思う」と述べた。

 協議の現状については「公明党として憲法の歯止めを工夫している。これまでの憲法の柱とつじつまが合う内容になる」と強調。そのうえで安倍晋三首相に対し、「抑止力の備えと同時に、対話の外交活動で信頼関係を強めることも重要だ。最終的に中国の習近平国家主席と首相がきちんと対話し、大事な問題を解決できる機会をぜひつくり出してもらいたい」と注文した。

2014年06月27日

◆最終案、与党が大筋で了承

〜集団自衛権の閣議決定〜

(2014年06月27日 13時43分  読売新聞)

政府は27日午前、集団的自衛権行使を限定的に容認する新たな憲法解釈の閣議決定の概要の最終案を、自民、公明両党の「安全保障法制整備に関する与党協議会」(座長・高村正彦自民党副総裁)に提示した。

公明党から大きな異論は出ず、両党は大筋で了承した。公明党内の意見集約を経て、1日の同協議会で正式合意する見通しとなった。

 最終案は、24日に示された概要のうち、高村座長の試案とされていた集団的自衛権関連の部分に、〈1〉紛争が生じた場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くす〈2〉既存の国内法令による対応や当該憲法解釈の枠内で可能な法整備等あらゆる必要な対応を取る――などの公明党が要望していた点を加筆し、政府案とした。国民の生命・権利が根底から覆される「明白な危険」がある場合に武力行使を限定するという自衛権発動の新3要件の修正案はそのまま盛り込まれた。

◆辺野古調査、7月下旬に着手

〜ブイ内側の妨害排除〜

(2014.6.27 05:00   産經ニュース)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設で、政府は26日、7月下旬に代替施設の着工に向けた調査活動に着手する方針を固めた。反基地活動家らの妨害を阻止するため、立ち入り制限海域を示すブイ(浮標)を設置した後、直ちに調査に入り、活動家らがブイの内側に入れば排除する。

 海底地盤の強度などを調べるボーリング調査に向け、日米両政府は6月20日、合同委員会を開き、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沖で立ち入りを制限できる海域を拡大することで合意した。これを受け日本政府は7月2日、制限海域の拡大を官報に告示する。

 当面の調査はシュワブ周辺で限定的に行うため、ブイの設置場所もシュワブ周辺海域にとどめ、調査活動の範囲拡大に合わせて埋め立て海域全体をカバーできるよう広げる。反基地活動家らがブイの内側に入れば海上保安庁が米軍施設や区域への侵入を禁じる刑事特別法を適用し排除する。

 政府は11月に調査を終え、埋め立てに必要な作業場所の確保や、シュワブ内で滑走路を建設する用地にある建物の解体を進め、来年度に着工する。