2015年06月10日

◆安保法案「違憲に当たらぬ」

〜政府側、衆院特別委で主張〜


(2015年6月10日12時03分  朝日新聞)

 安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会は10日、一般質疑を行った。政府側は、憲法学者が「憲法違反」と指摘したことへの反論をまとめた9日の政府見解について説明した。

 横畠裕介・内閣法制局長官は、新たに認められる集団的自衛権の行使は日本防衛の必要最小限な行使に限定されるとして、「これまでの憲法解釈と整合し、9条の下で許容されると解している」と述べ、違憲には当たらないと主張した。

 維新の党の吉田豊史氏は、横畠氏が2005年に「他国に向かう弾道ミサイルを我が国が撃墜することは、集団的自衛権の行使と評価せざるを得ず、憲法上問題が生じうる」と答弁したことを挙げ、整合性をただした。横畠氏は「集団的自衛権を限定して行使できるというのは最近の考え方だ。今回のように限定され、要件を満たせば可能になる場合がありうる」と、過去の答弁を修正した。

 関連法案をめぐっては、自民と公明の幹部が10日朝、東京都内で会談し、国会運営について協議。安倍晋三首相のヤジや違憲指摘などの影響により、24日の会期末までに衆院で採決することは困難との認識で一致した。その後、自民の谷垣禎一幹事長は安倍晋三首相と首相官邸で会い、会期延長の期間については来週の審議の状況を見て判断することを確認した。当初自民党は、7月末までの会期延長で法案を成立させる方針だった。しかし審議が遅れているため、8月中までの大幅延長は避けられない情勢だ。(石松恒、安倍龍太郎)

◆政府「集団的自衛権は合憲」

〜論理的整合性保つ〜

(2015年06月09日 21時47分 読売新聞)

 政府は9日、武力行使の新3要件の下で集団的自衛権の限定行使を容認した安全保障関連法案について、「従前の憲法解釈との論理的整合性が十分保たれている」として、集団的自衛権行使は合憲だとの見解を野党側に示した。

 先の衆院憲法審査会で自民党推薦の憲法学者ら3人が法案を「憲法違反」としたことを受け、野党側が政府見解を示すよう求めていた。横畠裕介内閣法制局長官らがこの日、民主、維新、共産各党に見解を説明した。

 見解は、憲法の下で自衛権が認められるのは平和的生存権や幸福追求権を守るためだとする1972年の政府見解や、日本の存立のために必要な自衛権行使は可能とする59年の最高裁の砂川事件判決に言及した。

 その上で、パワーバランスの変化などで安保環境が根本的に変容しており、「他国に対して発生する武力攻撃であっても我が国の存立を脅かすことも起こりえる」と明記し、「政府の憲法解釈との論理的整合性及び法的安定性は保たれている」と結論付けた。

◆「大阪会議」設置条例案可決へ

〜市議会: 都構想の対案〜

(2015年6月10日02時00分    朝日新聞)

 大阪都構想の対案として、自民党が大阪府、大阪市、堺市の3自治体で設置を目指す「大阪戦略調整会議」(大阪会議)の設置条例案が、10日の大阪市議会で可決される見通しとなった。自民の修正案に大阪維新の会と公明が賛成する意向を表明した。府議会でも可決される見通しで、堺市議会の対応が焦点となる。

 大阪会議は府と大阪市、堺市の首長3人と議員各9人が同じテーブルで共通の政策を協議する仕組み。自民は9日、3自治体のうち2自治体だけが賛成する政策が合意・決定されないよう、3自治体とも過半数の賛成がなければ合意・決定には至らないとする修正案を示し、維新、公明が賛成する方針を決めた。
 同日の府議会総務常任委員会でも維新府議団が賛成の意向を表明。11日の議会で可決の公算が大きい。

2015年06月09日

◆安保法制「憲法に適合する」

〜政府、反論見解まとめる〜

(2015年6月9日15時20分    朝日新聞)

 政府は9日、憲法学者3人が安全保障法制関連法案を衆院憲法審査会で「違憲」と指摘した問題について、「憲法に適合するものだ」とする見解をまとめた。同日夕、各党に示す。

 見解では、憲法学者から「憲法違反」と指摘された集団的自衛権の行使容認に関して政府の解釈を説明。集団的自衛権を使うための「武力行使の新3要件」について、例外的に自衛のための武力行使が許される場合があるとする1972年の政府見解の基本的な論理を維持したものだと主張。「技術革新の急速な進展」など安全保障環境の変化を挙げ、他国への武力攻撃であっても「目的、規模、態様によっては我が国の存立を脅かすことも現実に起こりえる」とし、行使容認の正当性を訴えた。

 その上で「我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として、一部、限定された場合」に行使するとし、「政府の憲法解釈との論理的整合性、および法的安定性は保たれている」と反論している。

◆年内訪日に意欲プーチン大統領

〜安倍首相会見〜

ミュンヘン=内田晃

(2015年6月9日05時39分    朝日新聞)

 ドイツを訪問中の安倍晋三首相は8日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)の終了後にミュンヘンで記者会見し、「北方領土の問題を前に進めるため、(ロシアの)プーチン大統領の訪日を本年の適切な時期に実現したい」とプーチン氏の年内訪日を目指す考えを改めて表明した。ただ、具体的な日程については「種々の要素を総合的に考慮して検討していく」と述べ、明言しなかった。

 首相は「私はプーチン大統領との対話をこれからも続けていく」と強調したが、来年日本で開催される伊勢志摩サミットへのロシアの参加については「現時点では、ロシアを含めたG8で意味のある議論を行えるとは考えがたい」と否定的な考えを示した。

 一方、ウクライナ危機をめぐり、「力によって一方的に現状が変更される。これは世界のどこであろうと認めることはできない」と指摘。「すべての当事者が停戦合意を誠実に履行すべきだ。国際法に基づいて平和的に解決すべきだ」と訴えた。(ミュンヘン=内田晃)

◆厚労相「補償考えてない」

〜年金詐欺で被害〜

(2015年6月9日01時04分   朝日新聞)

 日本年金機構がサイバー攻撃を受けて約125万件の個人情報が流出した問題で、塩崎恭久厚生労働相は8日の衆院決算行政監視委員会で、情報が悪用されて年金をだまし取られた場合について「補償を行う考えはいま持っていない」と語った。情報が流出した該当者への金銭などの支払いもしない方針。

 補償の財源は税金となるため、慎重な姿勢を示したとみられる。

 流出した情報は氏名、生年月日、基礎年金番号、住所の4種類。このうち氏名、生年月日、基礎年金番号の三つの情報があれば住所を変更できる。

 厚労省によると、最初の攻撃があった5月8日から機構が情報流出を公表した6月1日までの間、全国で年金受給者と加入者の住所変更は109件あった。厚労省幹部は、通常と比べて「際だって多いと思わない」としている。(小泉浩樹)

2015年06月08日

◆与野党せめぎ合い続く

〜安保関連法案巡り〜

(6月8日 4時05分   NHKニュース)

安全保障関連法案を巡って、政府・与党内では、審議が円滑に進んでいないとして緊張感を持って臨む必要があるという声が出ているのに対し、民主党などは、今の国会での成立を阻止するため全力を挙げる方針で、与野党のせめぎ合いが続いています。

安全保障関連法案は、衆議院の特別委員会で先月下旬に実質的な審議に入りましたが、安倍総理大臣が「早く質問しろよ」とやじを飛ばして民主党などが反発したほか、周辺事態に関する岸田外務大臣の答弁や、先週の質疑での与党側の理事のやじなどに対し、野党側が「看過できない」として、審議が見送られるケースが出ています。

与党側は今月24日までの会期を延長してでも今の国会で成立させる方針ですが、自民党幹部は「24日までに、衆議院での審議時間の目安としている80時間まで積み上げるのは容易ではない」と指摘しており、政府・与党内では、審議が円滑に進んでいないとして緊張感をもって臨む必要があるという声が出ています。

これに対し、法案に反対している民主党や共産党は、先週の衆議院憲法審査会の参考人質疑で、3人の学識経験者全員が安全保障関連法案を巡って、「憲法違反に当たる」という認識を示したことについて、「法案の問題点がより明確になった」としています。民主党の岡田代表は「夏までに全部やるというのは絶対に許すわけにはいかない」と述べており、民主党などは、今の国会での成立を阻止するため全力を挙げる方針で、与野党のせめぎ合いが続いています。

一方、派遣労働の期間制限を一部撤廃する労働者派遣法の改正案を巡って、与党側は早ければ今週にも衆議院厚生労働委員会で採決したいとしており、その環境を整えるため維新の党などが提出した対案を修正したうえで、共同で再提出して可決させることを維新の党側に提案しています。

これに対し、維新の党は、与党側が維新の党の主張を受け入れるのであれば採決に応じることを検討する用意があるとしており、今週、調整が行われる見通しです。

一方、民主党は、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題の全容解明が必要だとして、厚生労働委員会などでの徹底した審議を求める構えです。

◆内閣支持率、53%に低下

〜読売調査〜


(2015年06月07日 22時09分   読売新聞)

 読売新聞社は5〜7日、全国世論調査を実施した。

 安倍内閣の支持率は53%で、前回調査(5月8〜10日)の58%から5ポイント下がった。不支持率は36%(前回32%)。安倍内閣が最優先で取り組んでいる安全保障関連法案の今国会での成立については、「反対」が59%(同48%)に上昇し、「賛成」の30%(同34%)を上回っている。

 内閣支持率が低下したのは、安保関連法案の国会審議で野党が首相や閣僚を厳しく批判していることの影響や、国民の法案への懸念の表れとみられる。

 政府・与党が法案の内容を十分に説明していないと思う人は80%に達し、与党が合意した安保法制について聞いた今年4月調査(3〜5日)の81%と、ほぼ変化はない。「十分に説明している」は14%(4月は12%)にとどまっており、政府・与党には今後の国会審議などを通じて、より丁寧な説明が求められる。

◆街頭80カ所で安保法制訴え

〜自民〜

(2015年6月8日05時05分   朝日新聞)

 自民党の若手議員らでつくる青年局が7日、安全保障関連法の必要性や拉致問題の解決を訴える街頭行動を全国約80カ所で行った。安保法制に反対する市民らも集まり、憲法改正反対などを訴えた。

谷垣氏に帰れコール 「叫ぶだけで平和は来ない」と反論

 東京・JR新宿駅西口では、谷垣禎一・党幹事長が「隙間のない抑止の体制をつくることで日本の平和と安全を保とうとしている」と安保法制に理解を求めた。一部の聴衆から拍手が上がった。青年局は2004年から毎年6月、拉致問題をテーマに一斉街頭行動を繰り広げている。

 これに対し、プラカードやのぼりを掲げた市民らが「戦争反対」「9条を壊すな」と声をあげた。市民グループ「〈安倍政権にNO!〉東京・地域ネットワーク」などの呼びかけに約100人が集まった。

 茨城県牛久市の会社員男性(40)は「6歳の長女に安心して暮らせる社会を残したい」と駆けつけたという。市民グループ「憲法骨抜きNO!ねりま」の柏木美恵子さん(58)は「アメリカの戦争に加担したら国内でむしろテロを誘発させる。日本にしかできない平和貢献はたくさんある」と話した。(高橋友佳理)

2015年06月07日

◆谷垣幹事長「隙間ない整備を」

〜安保関連法案〜

(6月7日 16時43分   NHKニュース)

自民党の谷垣幹事長は東京都内で街頭演説し、安全保障関連法案について、北朝鮮や中国など日本を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、隙間のない法整備を進める必要があるとして、今の国会での成立に理解を求めました。

この中で谷垣幹事長は、安全保障関連法案を巡って、衆議院憲法審査会の参考人質疑で、出席した学識経験者全員が「憲法違反にあたる」という認識を示したことに関連して、「『戦争法案』や『違憲だ』と言う人もいるが、最高裁判所は日本が本当に侵略されるときに最低限必要な自衛権を行使できると言っているし、集団的自衛権も否定していない」と述べ、反論しました。

そのうえで谷垣氏は、「日本を取り巻く環境は大きく変わってきており、同盟国アメリカも数十年前ほどの圧倒的な力を持っていない。北朝鮮はミサイルを作り、日本列島に到達するよう準備を進めており、中国も急速に力をつけ、沖縄県の尖閣諸島の周辺に公船を送り込もうとしている。隙間のない抑止の体系を作り、日本の平和と安全を保つ必要がある」と述べ、法案の今の国会での成立に理解を求めました。

一方、同じ場所で街頭演説した山谷拉致問題担当大臣は、北朝鮮による拉致被害者らの調査に進展が見られないことについて、「北朝鮮は去年7月に特別調査委員会を立ち上げたが、今日においても何ら報告がないのは誠に遺憾だ。安倍内閣の最重要・最優先課題である拉致問題の解決に向けて、『行動対行動』『対話と圧力』の基本方針の下、結果を出していく」と述べました。