2015年07月02日

◆名護の軍用地料:政治姿勢で差

〜革新市政に低く 防衛省〜

<毎日新聞 (最終更新 07月02日 09時40分)>

 米軍基地を抱える沖縄県名護市に国が毎年度払う軍用地料が、基地に反対する革新系市長の時代には低く抑えられ、基地を容認する保守系市長の時代に増やされていたことが分かった。特に、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設案が示された1996年度以降急増した。額を決める防衛省は、基地に土地を提供する対価(賃料)として公平に決めてきたとするが、実際には市長の政治的立場や国への協力度により恣意(しい)的に差をつけている実態が浮かんだ。

 ◇「辺野古」提案後は急増

 名護市と隣接の宜野座村(ぎのざそん)は、米海兵隊基地のキャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブ内などに1500万平方メートル前後と面積のほぼ等しい土地を所有する。沖縄が本土に復帰した72年度から2014年度の各年に2市村が受け取った軍用地料を、2市村の決算資料などから調べ、比較した。

 72年度は宜野座村約1億4300万円、名護市約1億1800万円で差は2500万円。額はその後、国の方針で全体として伸びていくが、村長が一貫して保守系の宜野座村に対し、基地反対を掲げる革新系の渡具知裕徳(とぐち・ゆうとく)氏(70年初当選)が市長を務めた86年までの名護市の伸び率は、低く抑えられた。渡具知氏4期目の83年度には、宜野座村約8億300万円、名護市約4億9900万円で差は3億円超となった。

 その後、名護市で86〜10年に比嘉(ひが)鉄也氏▽岸本建男氏▽島袋吉和氏−−と基地を容認する保守系市長が3人続いた時期は差が縮小していく。市の受取額が急増したのは96年度から5年間で、普天間飛行場の辺野古移設案が浮上した時期と重なる。名護市が条件付きで移設を容認した99年度には、宜野座村約15億3600万円、名護市約15億3900万円で逆転。その後は同村を1億円超上回った状態で安定する。

 旧防衛施設庁長官を務め、96〜98年に那覇防衛施設局長だった嶋口武彦氏は取材に、普天間飛行場の辺野古移設を当時の比嘉市長に提案した際、キャンプ・シュワブの軍用地料値上げなどを条件として示されたことを明かし、「それは私の一存でできるから条件にしなくていい、と答えた」と証言した。比嘉氏も取材に、こうしたやりとりがあったことを認めた。

 軍用地料急増について嶋口氏は「(局長の)裁量の範囲」と明言。渡具知市長時代については「(渡具知氏が)革新系で防衛施設局と対立し、局が(額を)抑えていた」と説明した。市長の政治的立場で差をつけることの問題性を指摘すると、「昔はやっていたが今はない。説明がつかないが差をつけたのは(前任者で)自分ではない。昔は値上げ交渉自体なかったが(比嘉市長時代に)交渉できるようになった結果、値上げされた。そもそも適正な価格などない」と釈明した。

 「今はない」というが、辺野古移設に反対する稲嶺進・名護市長が再選された後の14年度、宜野座村との差が前年度の1億2400万円から約8900万円に縮まった。防衛省は「首長の基地へのスタンスで軍用地料の価格が左右されることはない」としている。【川上晃弘、伝田賢史】

 ◇国の説明が必要

 軍用地料の問題に詳しい沖縄国際大学の来間(くりま)泰男名誉教授の話 軍用地料は土地を米軍に強制使用されることへの対価であり、国はこれまで、周辺地価の動向などを参考に決めていると説明してきた。そうではなく、政治的な判断が組み込まれているとなれば、これは重大だ。防衛省はきちんと説明すべきだ。

 ◇公平な支払いを

 稲嶺進・名護市長の話 以前から保革で差をつけられていると思っていた。見えないところでやられていた感じだ。軍用地料の市財政に占める割合は低くない。公平な支払いを望む。

 【ことば】軍用地料

 米軍基地内に土地を所有する個人や自治体に日本政府が払う賃料。山林や農地、宅地など地目ごとに基地周辺の公示地価や開発状況などに基づき算出される。単価は「民間地主の収入が推測される恐れがある」(沖縄防衛局)として公表されていない。沖縄県内の米軍基地の土地は国有地、県市町村有地、私有地が約3分の1ずつで、県内の2013年度の受取総額は約830億円。





◆「1票の格差」拡大

〜各党の改革の動き加速か〜

(7月2日 6時05分  NHKニュース)

ことし1月1日現在の住民基本台帳に基づく、参議院のいわゆる「1票の格差」がさらに広がったことを受けて、今後、各党の格差是正に向けた改革案を巡る動きが、加速することも予想されます。

参議院の選挙区ごとの、いわゆる「1票の格差」は、総務省が発表したことし1月1日現在の住民基本台帳の日本人の人口をもとに試算したところ、最大で4.782倍と、去年より0.015ポイント拡大していました。

参議院の「1票の格差」を巡って、最高裁判所は5年前とおととしの選挙の2回続けて「違憲状態」とする判断を示しており、各党は格差是正に向けた改革案の取りまとめを目指し、個別に協議を行っています。

このうち自民党は、都道府県単位の選挙区を極力維持するとした党の方針に賛同を得ることは困難だとして、「合区」の受け入れも排除せずに再検討していますが、「合区」に反対する意見も根強くあります。

民主党は、22の府県で「合区」を行うなどして、1票の格差を最大で1.89倍余りとする案をまとめています。

公明党は、20の県を「合区」するなどして、1票の格差を最大で1.95倍余りとする案をまとめています。

また、維新の党、次世代の党、日本を元気にする会・無所属会、新党改革の野党4会派は、「合区」を2か所で行うなどして、1票の格差を最大で2.97倍余りとする案をまとめています。

こうしたなかで、民主党は、格差を2倍以内に収める案で各党の合意を得るため、公明党の案に1本化する方向で検討していて、2日にも両党で協議を行うことにしています。

各党は、来年夏に参議院選挙を控え、今の国会の会期中に結論を得たいとしていて、今後、格差是正に向けた改革案を巡る動きが加速することも予想されます。

2015年07月01日

◆安倍首相が公明代表に陳謝

〜報道規制発言巡り〜

(2015年07月01日 15時26分  読売新聞)

 安倍首相は1日昼、首相官邸で公明党の山口代表と会談し、自民党の保守系議員の勉強会「文化芸術懇話会」で報道機関への圧力を求める発言が相次いだ問題について、「我が党の議員の件でご迷惑をかけたことは大変申し訳ない」と陳謝した。

 山口代表は「緊張感を持って(延長国会に)臨む必要がある」と応じた。

 会談では、安全保障関連法案の早期成立を目指すことでも一致した。

◆衆院特別委採決「15日軸」


〜安保法案:自公が確認〜

(2015年7月1日15時01分  朝日新聞)

 自民党の谷垣禎一幹事長や公明党の井上義久幹事長ら与党幹部は1日午前、東京都内で会談し、衆院特別委員会で安全保障関連法案を15日を軸に採決をめざす方針を確認した。今後、野党と協議する。9月27日までの会期末をにらみ、参院審議も念頭に衆院での再議決が可能な60日以上の日程を確保して衆院を通過させ、関連法の確実な成立をめざす。

 一方、野党は法案の今国会成立を阻止する構えで、激しい反発が予想される。

 会談後、自民党の佐藤勉国会対策委員長は記者団に「両幹事長から『とにかく丁寧にやりなさい』という指示だった。決断をするときには決断をしなければならない」と語った。関係者によると、この場で15日を軸に7月中旬の採決を確認した。

◆成立求める意見書案可決へ

〜安保関連法案:長崎県議会〜

(2015年7月1日08時31分  朝日新聞)


 長崎県議会(定数46)の自民、公明両会派は、安倍政権が制定を目指している安全保障関連法案の今国会での成立を求める意見書案を出す方針を固めた。両会派は同県議会の過半数を占めており、9日の本会議で可決される見通しだ。

 全国都道府県議会議長会によると、6月30日現在、同法案に賛同する議決の報告はないという。

 意見書案によると、日本の安全確保のためには「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法整備を行うことが必要」と指摘。「国会審議のなかで国民の理解を得る努力を図り、必要な審議が尽くされた際には、平和安全法制の今国会での成立を図るよう強く求める」としている。

 自民県議は朝日新聞の取材に対し、「国境の離島を持つ長崎として、(安保法制は)必要だと考えている」と説明している。

 同県議会では、民主・社民系の会派(7人)が法案の撤回を求める意見書案を出す方針。「憲法との整合性を含めて、国民的な議論を行うよう要請する」などとしている。

■嘉麻市議会は反対の意見書可決

 一方、福岡県嘉麻市議会(定数18)は30日、議員提案の「『戦争法』制定に反対する意見書」案を賛成9、反対7の賛成多数で可決した。意見書は、安保法案を「戦争を準備するための『戦争法案』と言うべきものだ」と厳しく批判している。

 意見書は「自衛隊の武力行使の条件を整備し、これまで自国防衛以外の目的に行使できなかった自衛隊の力を、米国等の求めに応じて自由に行使できるようにするもの」と指摘し、法案を憲法違反と主張。「平和憲法下のわが国の基本政策を転換し、戦争を放棄した平和国家日本のあり方を根本から変える」として、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定の撤回と法案の制定断念を求めた。(小野太郎、垣花昌弘)

◆与党内の足並みにも乱れ

〜報道批判問題〜

(7月1日 4時57分   NHKニュース)

自民党の勉強会で報道機関を批判する意見が相次いだ問題を受けて、党執行部は、安全保障関連法案の審議への影響を抑えるため引き締めを強めていますが、処分を受けた議員が同様の発言を繰り返し、公明党が抗議するなど、与党内の足並みにも乱れが出ていて、事態の収束には、なお時間がかかる見通しです。

安全保障関連法案を審議している衆議院の特別委員会は、今週の質疑を終えると、審議時間が与党側が衆議院を通過させる目安としてきた80時間を超える見通しで、与党側は1日から、採決に向けて中央公聴会の開催の具体的な調整に入る方針です。

こうしたなか、自民党執行部は、党の勉強会で報道機関を批判する意見が相次いだ問題を受けて、関係者4人を処分するとともに、法案審議への影響を抑えるため、緊張感を持って政治活動に当たるよう引き締めを強めています。

しかし、30日の副幹事長らによる会議では、「処分の基準が不明確で、妥当なものか疑問だ」、「若手議員の自由な活動を封じるようなことはやめてもらいたい」などと、反発する意見も出されました。

さらに、報道機関を批判する発言をして、厳重注意処分を受けた大西英男衆議院議員が30日、「誤った報道をするようなマスコミに対する広告は、自粛すべきだと個人的には思う」などと発言しました。党執行部は30日夜、大西氏を再び厳重注意処分としましたが、公明党の大口国会対策委員長が、佐藤国会対策委員長に対し、「看過できない」と抗議するなど、与党内からも批判が出ています。

自民党執行部は、安全保障関連法案を今月半ばには参議院に送るためにも、早期にこの問題を収拾したい考えですが、与党内の足並みにも乱れが出ていて、事態の収束には、なお時間がかかる見通しです。




2015年06月30日

◆自民党議員の更迭は行き過ぎ

〜次世代・松沢幹事長〜

(2015年6月30日08時41分   朝日新聞)

 自民党の若手勉強会での発言について、評論家である百田(尚樹)さんがどこで何を言おうと、これは評論家の表現の自由だから当然だ。ただ、自民党の国会議員は政権与党で権力を行使できる立場にいる。そういう方々が、自分たちの政策がうまくいっていないことをメディアに責任転嫁するのは、言語道断であり本末転倒だ。

 とはいえ、この件について総理が謝罪することはないと思う。(自民党)青年局長の木原(稔)さんを更迭するというのもちょっとやりすぎだ。事前に幹事長室に届けていたのに、内容が悪いから更迭というのはちょっと行き過ぎだと思う。

◆企業版ふるさと納税実施目指す

〜来年度から 菅官房長官〜

(2015年6月30日05時02分   朝日新聞)

 菅義偉官房長官は29日の記者会見で、政府が掲げる「地方創生」の施策として「企業版ふるさと納税」制度をつくるための勉強会を設けることを明らかにした。来年度の税制改正大綱に盛り込み、同年度からの実施を目指す。

 菅氏は「官民挙げて連携し、自治体に民間資金を投入できるよう法人住民税になんらかの工夫を行う」と述べた。勉強会は古谷一之官房副長官補をトップに財務省や総務省、内閣府などの担当者で構成する。

 菅氏が総務相時代に創設した「ふるさと納税」制度は、応援したい自治体に寄付すると、住んでいる自治体に納める所得税や住民税が寄付金額に応じて控除される仕組み。企業版でも、企業が原材料の生産地や創業者の出身地など、関係がある自治体に寄付すると、本社がある自治体に納める法人住民税の控除が受けられるような仕組みを想定している。(星野典久)

2015年06月29日

◆圧力発言で首相

〜「表現の自由は民主主義の根幹」〜


(2015年06月29日 15時32分   読売新聞)

 安倍首相と自民党の谷垣幹事長は29日昼、首相官邸で会談し、同党の保守系議員有志による勉強会で報道機関への圧力を求める発言が相次いだ問題への対応を協議した。

 首相は「自民党は表現の自由を民主主義の根幹ととらえていることをはっきり示さないといけない」と述べた。

 この問題で党から役職停止1年の処分を受けた勉強会代表の木原稔衆院議員は29日午前、地元の熊本市内で記者団に「(処分を)全面的に受け止め、反省したい」と述べた。勉強会については「無期延期を含めて関係者と相談したい」と語った。

◆谷垣幹事長、報道圧力発言謝罪

<毎日新聞 (最終更新 06月29日 02時36分)>

 自民党の谷垣禎一幹事長は28日、NHKの討論番組に出演し、同党の若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」で報道機関への圧力を求める発言があった問題について「たいへん申し訳なかったという気持ちだ」と謝罪した。

 そのうえで谷垣氏は、懇話会代表の木原稔氏を1年間の役職停止処分にするなど関係した衆院議員4人を処分したのは謝罪の気持ちの表れだと強調。野党が安倍晋三首相(党総裁)の謝罪を求めていることに対しては、「党は私が預かっている」と述べ、これで決着させたい考えをにじませた。

 懇話会で沖縄への侮蔑的な発言があったことに関しても「わが党は沖縄に対し一生懸命やってきた先輩方の歴史があるが、それに反する議論だった」と述べ、不適切だったと認めた。【影山哲也】