2016年03月02日

◆首相、悲願の改憲を争点化へ 

〜参院「3分の2」確保狙う〜

(2016年3月2日05時01分   朝日新聞)

 2016年度予算案の今年度内成立が確定し、夏の参院選に向けた各党の動きが本格化する。憲法改正がかつてなく問われる選挙となり、自民、公明両党に一部野党を加えた改憲勢力が「3分の2」を得るかどうかが焦点だ。衆参同日選も視野に入る中、選挙結果によっては、いまの憲法がつくってきた国のありようが変わる可能性がある。

 「自民党総裁として、党が長年言ってきた憲法改正をやりたい。緊急事態条項の改正はできないでしょうか」

 安倍晋三首相は最近、懇意にしている公明党の太田昭宏前国土交通相に打ち明けた。大災害や戦争時の政府の権限などを定める緊急事態条項の新設は、自民党が改憲の有力な項目に掲げる。

 「緊急事態はあいまいだから、なかなか簡単ではないですよ」。太田氏は首相にこう返したが、改憲への強い思いを感じ取った。

 安倍首相は年明け以降、憲法改正をめぐる発信を強めている。1月4日の年頭記者会見では「参院選でしっかり訴えていく」と表明。3月1日の衆院予算委員会でも、「『3分の2』が可能となったもの(項目)から憲法改正に取り組んでいきたい」と述べた。民主党の緒方林太郎氏が「お試し改憲だ」と批判すると、首相は「できるものからというのは当たり前だ」と強く反論した。

 首相に呼応するかのように、首相自身が特別顧問を務める日本会議国会議員懇談会の憲法改正プロジェクトのメンバー十数人が1日、「国家緊急事態と人権保障」をテーマに国会内で勉強会を開いた。出席議員は「憲法改正は参院選の争点になるべきだ」。

 憲法改正については自民内にも「訴えても票にならない」(参院ベテラン議員)と消極的な声がある。だが、それでも首相は「我が党は結党以来、党是として憲法を改正すると申し上げている」と繰り返す。党是とは、結党時の「政綱」に盛り込まれた「現行憲法の自主的改正」との文言だ。首相が敬愛する祖父・岸信介氏が初代幹事長として深く関わり、首相にとっても悲願だ。

 首相は夏の参院選を、悲願を実現に近づける最大のチャンスと位置づける。憲法改正の発議には、衆参各院で「3分の2」以上の賛成が必要。衆院では自公両党で3分の2を確保しており、参院の議席が焦点になる。

 自公に加え、改憲に積極的なおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の4党で78議席を得れば、参院で改憲勢力が3分の2に達する。2013年の参院選では自公だけで76議席を得ており、首相官邸の関係者は「大きく取りこぼさなければ、3分の2に届く可能性がある」と語る。
(石井潤一郎、鯨岡仁、笹川翔平)

2016年03月01日

◆新年度予算案、衆院本会議で可決

〜年度内成立確実に〜

(2016年3月1日18時54分   朝日新聞)

 2016年度予算案が1日夕の衆院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決した。民主党、維新の党、共産党などは反対した。予算案は同日中に参院に送られる見通し。憲法の「衆院の優越」規定で、参院で30日以内に議決されなければ自然成立するため、今年度中の成立が確実になった。

 16年度予算案は一般会計の総額が96兆7218億円で、4年連続で過去最大を更新した。歳出の約3分の1を占める社会保障費も過去最大の31兆9738億円。歳入で、新たな借金となる新規国債発行額は6・6%減ったが、3分の1超の34兆4320億円を占める。

 予算案と合わせ、来年4月に消費税を10%に増税する際、食品など一部の税率を8%に据え置く軽減税率を盛り込んだ税制改正関連法案と、赤字国債の発行に必要な特例公債法改正案も、1日の衆院本会議で可決した。

◆憲法改正「3分の2を得られるものから」

〜首相が言及〜

(2016年3月1日12時06分  朝日新聞)

 安倍晋三首相は1日の衆院予算委員会で、憲法改正について「(改憲発議に必要な)3分の2を得ることができるもの(項目)から取り組んでいきたい」と述べ、重ねて強い意欲を示した。公明、おおさか維新が改憲への考え方を示しているとして、自民党の憲法改正草案にある文言を修正する可能性にも言及した。

 首相は今夏の参院選で、憲法改正を争点に掲げる考えを改めて示したうえで、「3分の2の確保は与党だけでは無理。多くの議員の支持がなければ難しい」と指摘。「公明、おおさか維新も憲法改正について考え方を一部示しているが、我々の憲法改正草案通りに一字一句ということにはならない。3分の2を形成していく中で、様々な意見や修正をとり入れながら努力していく」と述べた。

 質問した民主党の緒方林太郎氏は、首相の姿勢を「改憲をやるためにやるもの。お試し改憲だ」と批判。これに対し、首相は「お試し改憲というのはまさにレッテル貼りだ。我々は憲法改正草案を示している。しかし、政治の現実を私たちは知っている。3分の2を得ることができるものから(改正する)というのは当たり前だ」と反論。草案の文言修正については「自民党の議論に沿う方向にいけば一番いい」と語った。

◆首相 サミット前に世界経済安定で会合へ

(3月1日 11時26分  NHKニュース)

安倍総理大臣は、衆議院予算委員会で、ことし5月の伊勢志摩サミットで主要なテーマになる世界経済の安定に向けて、議長国として適切に対応していく必要があるとして、サミットの前に内外の有識者から意見を聞く会合を開催する考えを示しました。

このなかで、安倍総理大臣は、ことし5月の伊勢志摩サミットについて、「G7=主要7か国の議長国を務めるわけであり、不透明さを増す世界経済に対して、先般のG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議で議論をしたが、G7でも大きなテーマになる」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は、「議長国として、どのような考え方を持ち、どのように分析をしているのか、示していく必要がある。その際、さまざまな方々からお話を伺わなければならないと考えている」と述べ、世界経済の安定に向けて適切に対応するため、伊勢志摩サミットの前に内外の有識者から意見を聞く会合を開催する考えを示しました。

これに関連して、菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、「伊勢志摩サミットの議長国として、現下の世界的経済状況に適切に対応していく必要がある。安倍総理大臣自身の発意で、世界の経済・金融情勢について、内外の有識者から、順次、見解をお聞きする会合を開催することを検討中だ」と述べました。

◆朴大統領、慰安婦合意の成果強調

〜対日改善明確に〜

<2016/3/1 12:00   共同通信>

 【ソウル共同】韓国の朴槿恵大統領は1日、朝鮮半島で1919年に日本の植民地支配に抵抗して起きた「3・1独立運動」を記念する政府式典で演説した。昨年末に日韓が交わした旧日本軍の従軍慰安婦問題に関する合意について「被害者が一人でも多く存命中に問題を解決しなければならないとの切実な心情で努力を傾けた結果だ」と述べ、外交的成果だと強調した。

 合意を履行することで歴史問題に区切りを付け、日本との関係改善を進める意思を明確にした形だ。

◆高浜原発停止「誠に遺憾」 経産相

〜原因究明を求める〜

(2016年3月1日09時38分  朝日新聞)

 林幹雄経済産業相は1日の閣議後の記者会見で、再稼働したばかりの関西電力の高浜原発4号機(福井県、出力87万キロワット)がトラブルで自動停止したことについて「誠に遺憾だ」と述べ、関電に原因究明に全力を挙げるよう求めた。

 林氏は再稼働にあたって「安全を最優先させることは当然だ」とし、関電に対して「スケジュールありきではなく、細心の注意を払って慎重に取り組んでもらいたい」と注文をつけた。

2016年02月29日

◆民主、鈴木貴子氏を除籍処分へ 

〜議員辞職勧告の方針〜

(2016年2月29日17時43分   朝日新聞)

 民主党の枝野幸男幹事長は2月29日の役員会で、26日に鈴木貴子衆院議員(比例区北海道)が提出した離党届について、受理せずに除籍処分とし、議員辞職を勧告する方針を報告した。3月1日の常任幹事会で正式に決める。

鈴木貴子衆院議員、民主離党へ 当面は無所属で活動

 鈴木氏は民主が衆院北海道5区補選で共産党と連携することに対し、「有権者の理解が得られない」と反発して離党届を提出。自民党入りを検討するとみられている。

◆首相「新たな国勢調査で」 定数是正先送り

〜改めて表明〜

2016年2月29日13時21分

 安倍晋三首相は29日午前の衆院予算委員会で、衆院小選挙区の「一票の格差」を抜本的に是正する改革を次の国勢調査を行う2020年以降に先送りする考えを改めて表明。都道府県の人口比をより反映できるアダムズ方式の早期導入については「選挙が17、18年になると、20年には新たな方式で県ごとの人数を変えないといけなくなる」と述べ、公明や野党が求める10年または15年調査に基づく抜本改正を批判した。

 民主党の岡田克也代表が「20年の国勢調査(で抜本改正)というが、(20年に)あなたは首相ではない」と指摘したのに答えた。岡田氏は10年調査をもとにアダムズ方式で都道府県ごとの定数配分を見直し、15年調査をもとに都道府県内の区割りも変えるべきだと主張した。

 これに対し安倍首相は「5年ごとに県の人数が変わるのを導入してしまえば、毎回毎回、大きな議論をしなくてはいけなくなる」として、岡田氏の主張は選挙制度の安定性を欠くと批判。そのうえで、「あと4年すれば、新たな10年ごとの(大規模)国勢調査が出てくる。そこでやるのが当たり前ではないか」と答弁した。

 自民党内には、アダムズ方式を20年以降に導入することについても否定的な意見がある。首相は党内議論について「私は独裁者ではないから、私が決めれば全員が右を向くわけではない。ただ、私が総裁として申し上げたことは、党員にしっかり理解していただいている」と語った。

◆クリントン氏、本選に軸足

〜トランプ氏の資質批判〜

<2016/2/29 09:44   共同通信>

 【コロンビア(米サウスカロライナ州)共同】米大統領選民主党指名争いの第4戦、南部サウスカロライナ州予備選を制したクリントン前国務長官は一夜明けた28日、転戦先の南部テネシー州の教会で「私たちの使命は米国の融和を図ることだ」と演説した。挑発的な言動で世論をあおり、共和党候補争いをリードする実業家トランプ氏を念頭に批判した。

 クリントン氏は3勝1敗としたサウスカロライナでの勝利で指名獲得に自信を深めている。11月の本選に軸足を移すかのように、トランプ氏の大統領としての資質を問う発言が目立ってきた。

◆衆院予算委 集中審議 選挙制度見直しで議論

(2月29日 12時22分   NHKニュース)

衆議院予算委員会の集中審議で、衆議院の選挙制度の見直しを巡り、民主党の岡田代表は、6年前・平成22年の国勢調査の結果に基づき、速やかに、都道府県に小選挙区の数を割りふる計算式の「アダムズ方式」を導入すべきだと指摘しました。これに対し安倍総理大臣は、有識者調査会の答申を尊重するならば「アダムズ方式」への変更は次の平成32年の大規模な国勢調査を踏まえ行うべきだとして、こうした方針に沿って自民党内で議論が進むという認識を示しました。



衆議院の選挙制度の見直し

この中で民主党の岡田代表は、衆議院の選挙制度の見直しについて、「有識者調査会の答申の根幹は、都道府県に小選挙区の数を割りふる計算式の『アダムズ方式』の採用だ。先送りすれば違憲状態が継続することになり、平成22年の国勢調査の結果に基づき、安倍総理大臣は導入を明言すべきだ」とただしました。

これに対し、安倍総理大臣は「答申どおりに10年ごとの国勢調査で『アダムズ方式』を導入するとすれば、平成32年となる。あと4年すれば新たな10年ごとの国勢調査が出るので、そこでやるのは当たり前だ。『先送りだ』という批判は当たらず、誤解を与えようとしていることは党利党略だ」と反論しました。そのうえで、安倍総理大臣は「私は、自民党総裁として、『アダムズ方式』について答申を尊重するという立場から、当然『アダムズ方式』を中心に自民党内で議論がなされるものと確信している」と述べました。


特定秘密の取り扱い

一方、安倍総理大臣は、特定秘密の取り扱いについて、「会計検査院の検査に必要な資料は、わが国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められたときに限り提供されるという限定が、法文上、適応される。しかし、実際には特定秘密の提供が行われないということは、実務上およそ考えられない」と述べました。


丸川環境相の被ばく線量巡る発言

また、安倍総理大臣は、丸川環境大臣が被ばく線量の目標に関する発言を撤回したことへの任命責任を問われたのに対し、「閣僚の任命責任は私にあり、その責任は究極的にはしっかりと政策を前に進めていくことによって果たされるべきものだ。福島の皆さんが求めていることは一日も早い除染の実行であり、丸川大臣には先頭に立って除染の加速化などに全力で取り組んでもらいたい」と述べました。