2019年07月17日

◆がん検診「要精密検査」なのに「異常なし」誤通知

女性死亡

2019年7月17日 13時01分  NHKニュース


岐阜市が行ったがん検診で、「要精密検査」などとされた5人に、市が誤って「異常なし」とする通知書を送り、このうち50代の女性1人が16日、胃がんで死亡していたことがわかりました。市は「通知ミスが発見の遅れにつながった可能性は否定できない」として、遺族に謝罪しました。

岐阜市によりますと、おととし7月からことし2月までに肺がん、胃がん、それに乳がんの検診を受けた50代から70代の女性合わせて5人に対し、検診結果が「要精密検査」や「要注意」だったにもかかわらず、岐阜市が誤って「異常なし」と通知していたということです。

市によりますと、このうち50代の女性1人はことし1月に胃がん検診を受け、委託先の検診機関が「要精密検査」と判定したにもかかわらず、市の職員が誤って「異常なし」とする通知書を送ったということで、この女性は4月に病院を受診して胃がんと肺がんが見つかり、16日、胃がんのため死亡したということです。

これを受けて岐阜市は「通知ミスが発見の遅れにつながった可能性は否定できない」として、遺族に謝罪しました。

岐阜市の柴橋正直市長は「市民のがん検診に対する信用を損なったことは誠に遺憾で、再発防止策を徹底させます」としています。

◆警察学校教官 訓練に本物ナイフ 新人を誤って刺す

岡山

2019年7月17日 9時53分  NHKニュース


去年、岡山県警察学校で、教官の警部補が犯人を取り押さえることを想定した訓練にナイフを持ち込んだうえ新人の警察官を誤って刺して軽いけがをさせていたことが分かりました。警部補は「訓練に緊張感を出そうと本物のナイフを持ち込んだ」などと話していたということで、業務上過失傷害の罪で罰金の略式命令を受けました。


岡山県警察本部によりますと、去年12月、岡山市北区の県警察学校で、刃物を持った犯人を取り押さえることを想定した訓練に犯人役を務めることになった教官の男性警部補がサバイバルナイフを持ち込んだうえ新人の男性巡査の胸を誤って刺したということです。

巡査は病院に運ばれましたが、けがの程度は軽かったということです。訓練は模造品のナイフを使うことになっていましたが、岡山県警に対して警部補は「訓練に緊張感を出そうと本物のナイフを持ち込んだ。刺すつもりはなかったが、当たってしまった」などと話していたということです。

警部補は書類送検され、ことし4月、業務上過失傷害の罪で罰金50万円の略式命令を受けました。一方、刺された巡査はことし1月、依願退職したということです。

岡山県警は警部補を所属長訓戒の処分にしましたが、「発表する対象の事案ではない」として公表していませんでした。

2019年07月16日

◆広範囲で大気不安定 広島や新潟で猛烈な雨か

土砂災害に警戒

2019年7月16日 20時54分  NHKニュース

上空の寒気などの影響で東日本と西日本の広い範囲で大気の状態が不安定になり、広島県と新潟県では1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。しばらくは土砂災害に警戒が必要です。

気象庁によりますと、上空の寒気と湿った空気の影響で東日本と西日本の広い範囲で大気の状態が不安定になり、新潟県や中国地方で局地的に雨雲が発達しています。

午後8時までの1時間には、国土交通省が新潟県南魚沼市に設置した雨量計で35ミリの激しい雨を観測しました。

また、気象庁のレーダーによる解析では、広島県世羅町付近で午後6時半までの1時間におよそ110ミリ、新潟県魚沼市小出付近で午後5時20分までの1時間におよそ100ミリ、魚沼市守門付近で、午後4時50分までの1時間におよそ100ミリのいずれも猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。

魚沼市では土砂災害の危険性が非常に高まり、「土砂災害警戒情報」が発表されています。このあとしばらくは、局地的に雷を伴って1時間に30ミリ以上の激しい雨が降るおそれがあります。

17日朝にかけて、西日本を中心に大気の不安定な状態が続く見込みで、気象庁は、雨量が多くなっている地域では土砂災害や低い土地の浸水、川の増水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意するよう呼びかけています。

◆参院選「必ず行く」「期日前投票した」57%

前回より低い水準

2019年7月16日 19時31分参院選 NHKの世論調査

今月21日に行われる参議院選挙を前にNHKが行った世論調査によりますと、投票に「必ず行く」と答えた人と「期日前投票をした」と答えた人は合わせて57%で、前回3年前の選挙の同じ時期に比べ低い水準となっています。

NHKは参議院選挙を前に今月13日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。

調査の対象となったのは3652人で、57%にあたる2083人から回答を得ました。

それによりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は1週間前の調査と変わらず、45%でした。

一方、「支持しない」と答えた人も1週間前と同じ、33%でした。

今回の参議院選挙にどの程度関心があるか聞いたところ
▽「非常に関心がある」が22%
▽「ある程度関心がある」が45%
▽「あまり関心がない」が22%
▽「全く関心がない」が5%でした。

参議院選挙の投票に行くかどうか聞いたところ
▽「必ず行く」が46%
▽「行くつもりでいる」が25%
▽「行くかどうかわからない」が9%
▽「行かない」が6%
▽「期日前投票をした」が11%でした。

「必ず行く」と「期日前投票をした」と答えた人は、合わせて57%で、調査方法が異なるため単純な比較はできませんが、前回3年前の選挙の同じ時期と比べ、7ポイント低くなっています。

投票先を選ぶ際に最も重視することを6つの政策課題をあげて尋ねたところ
▽「社会保障」が29%
▽「経済政策」が21%
▽「消費税」が19%
▽「外交・安全保障」が9%
▽「憲法改正」が8%
▽「原子力政策」が3%でした。

今回の参議院選挙で、与党と野党の議席がどのようになればよいと思うか尋ねたところ
▽「与党の議席が増えたほうがよい」が24%
▽「野党の議席が増えたほうがよい」が30%
▽「どちらともいえない」が38%でした。

ことし10月に消費税率が10%に引き上げられます。これについて
▽「賛成」が26%
▽「反対」が37%
▽「どちらともいえない」が31%でした。

今の憲法を改正する必要があると思うか聞いたところ
▽「改正する必要がある」が29%
▽「改正する必要はない」が32%
▽「どちらともいえない」が30%でした。

投票先を選ぶ際、公的年金をめぐる問題をどの程度考慮するか聞いたところ
▽「大いに考慮する」が24%
▽「ある程度考慮する」が42%
▽「あまり考慮しない」が17%
▽「全く考慮しない」が6%でした。

◆「手足口病」流行拡大 過去10年で最多に

2019年7月16日 14時53分  NHKニュース


主に幼い子どもが感染し、手足や口に発疹ができる「手足口病」の流行が拡大しています。患者数はこの時期としては過去10年で最も多くなっており、国立感染症研究所は今後ピークを迎える可能性が高いとして、手洗いなど、予防を徹底してほしいと呼びかけています。


「手足口病」は、手や足、それに口の中などに発疹ができるウイルス性の感染症で、幼い子どもではまれに脳炎などの重い症状を引き起こすことがあります。


国立感染症研究所によりますと、今月7日までの1週間に、全国のおよそ3000の小児科の医療機関から報告された患者数は3万1065人で、1医療機関当たりでは9.79人となりました。

この時期としては過去10年で最も大きな流行となっています。

都道府県別では、福井県で31.13人、石川県で26.76人、香川県で17.11人、三重県で17.05人、滋賀県で16.41人、などとなっていて、流行の中心がこれまで最も多かった九州地方から、中部地方など東に移ってきています。

流行は、今後1週間から2週間でピークを迎える可能性が高いということで、国立感染症研究所の藤本嗣人室長は「特に幼い子どもがいる家庭や保育園などでは、オムツの適切な処理やこまめな手洗い、それにタオルを共有しないなど予防を徹底してほしい」と呼びかけています。


都道府県別の患者数

各都道府県ごとの1医療機関当たりの患者数は次のとおりです。(全国の1医療機関当たりの患者数は9.79人)

北海道 1.86人
青森県 3.83人
岩手県 1.83人
宮城県 2.64人
秋田県 0.43人
山形県 6.27人
福島県 15.66人
茨城県 12.41人
栃木県 5.83人
群馬県 4.83人、
埼玉県 11.03人、
千葉県 14.22人、
東京都 9.72人、
神奈川県 10.31人、
新潟県 11.11人、
富山県 13.28人、
石川県 26.76人、
福井県 31.13人、
山梨県 4.08人、
長野県 3人、
岐阜県 8.08人、
静岡県 7.7人、
愛知県 9.76人、
三重県 17.05人、
滋賀県 16.41人、
京都府 11.21人、
大阪府 8.78人、
兵庫県 15.19人、
奈良県 9.32人、
和歌山県 10.3人、
鳥取県 16.21人、
島根県 9.91人、
岡山県 9.65人、
広島県 7.92人、
山口県 15.57人、
徳島県 5.09人、
香川県 17.11人、
愛媛県 10.84人、
高知県 16.07人、
福岡県 13.1人、
佐賀県 12.35人、
長崎県 8.93人、
熊本県 10.42人、
大分県 6.39人、
宮崎県 2.33人、
鹿児島県 5人、
沖縄県 1.38人

◆「徴用」めぐり 三菱重工の資産売却手続きへ

2019年7月16日 12時19分  NHKニュース

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判で、原告側は、被告の三菱重工業が賠償に関する協議に応じなかったとして、すでに差し押さえていた三菱重工の資産を売却し、現金化する裁判所への手続きを近く始めることを明らかにしました。

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判では、去年11月、「女子勤労てい身隊」として過酷な労働を強いられたとする韓国人女性やその遺族に損害賠償を支払うよう三菱重工に命じる判決が、確定していました。

原告側は三菱重工に対して、賠償に関する協議に応じるよう求めていましたが、16日午前ソウルで会見を開いた原告側の弁護士は「三菱重工から返事がなく、遺憾であり、手続きを速やかに進める」と述べて、すでに差し押さえていた三菱重工の特許と商標を売却して現金化する手続きを裁判所に近く申し立てることを明らかにしました。

「徴用」をめぐる一連の裁判では、ことし5月、新日鉄住金、現在の日本製鉄と機械メーカー不二越を訴えた原告も株式を売却する裁判所への手続きを始めていて、手続きが終われば、日本企業に実害が生じることになります。

このため日本政府は、韓国政府に日韓請求権協定に基づく第三国を交えた仲裁委員会の開催を求めていますが、韓国政府は、開催に必要な手続きの最終期限である18日までに応じる姿勢を見せておらず、日韓の対立関係は一層深まる様相を見せています。


三菱重工「政府と連携し対応」

三菱重工業は「日本政府と連携して適切に対応していきたい」とコメントしています。


世耕経産相「日本企業に実害及ぶべきでない」

世耕経済産業大臣は16日朝の閣議のあと記者団に対し、「当然、日本企業に実害が及ぶべきではないと思っている。この問題については基本的には外務省で対応していただきたい」と述べました。


河野外相「実害なら必要な措置講じる」

河野外務大臣は記者会見で「韓国側には国際法違反の状況を是正するよう強く求めてきており、万が一、日本企業に実害が及ぶようなことがあれば、必要な措置を講じなけれならない。そうならないよう、韓国政府には対応を強く求めたい」と述べました。

◆日本のサンマが不漁に 背景に中国・台湾の漁獲増

2019年7月16日 10時30分  NHKニュース

なぜ、いま、日本のサンマ漁が不漁となっているのか。背景には、中国や台湾のサンマの漁獲量が増えていることがあります。


この10年間で半分以下に

国内のサンマの「漁獲量」は20万トンから30万トンほどで推移してきましたが、2015年からは10万トン前後と不漁が続いています。特におととしは8万4000トンと平成以降では最も少なくなりました。


年々減少する日本の割合

「北太平洋漁業委員会」が管理する北太平洋でサンマを漁獲している国と地域による「漁獲量」は、過去10年はおおむね年間40万トン程度で推移していますが、日本が占める割合は年々、減少しています。

代わって増えているのが、所得の上昇などに伴って魚の消費が増えている中国や台湾で、最近では台湾の「漁獲量」が日本を上回っています。


“100グラムあたり100円超” 値上がりするサンマ

サンマの小売り価格をみると、東京23区のスーパーなどでの調査では、2015年は平均で100グラムあたり80円でしたが、その後上がり続け去年は104円と、漁獲量の減少に伴って価格が上昇する傾向にあります。


今のペースでとり続けると…

こうした中、「北太平洋漁業委員会」は、北太平洋のサンマの「資源量」を初めて科学的に推計した報告書をまとめました。

それによりますと、去年までの3年間の平均でみると将来にわたって持続可能にするため最適とされる「資源量」を、2割程度下回っていることがわかりました。

報告書では、今のペースでとり続けると、「資源量の十分な回復が見込めなくなるおそれがある」と指摘しています。


専門家「ブレーキかける国際的な仕組みを」

水産資源の管理に詳しい東京海洋大学の勝川俊雄准教授は「今のうちに、漁獲量にブレーキをかける国際的な仕組みを作っておくことが急務だ」と指摘しています。

そのうえで、日本が議長国としてサンマの漁獲量について規制を設けることを提案することについて、勝川准教授は「まずは、全体の漁獲量を抑えることで合意することが大事で、各国の枠を決めないのであれば賛成になりやすいだろう」と述べました。

◆NY株価 最高値また更新

利下げ期待で4営業日連続

2019年7月16日 6時18分  NHKニュース


15日のニューヨーク株式市場は、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が今月、利下げに踏み切るという期待が続き、ダウ平均株価は最高値をまた更新しました。


ニューヨーク株式市場は15日も買い注文が出て、ダウ平均株価は取り引き時間中の最高値を4営業日連続で更新しました。

ダウ平均株価の終値は先週末に比べて27ドル13セント高い2万7359ドル16セントでした。

FRBのパウエル議長が10日の議会下院の公聴会で、景気の減速を防ぐために利下げに踏み切る可能性を示唆して以降、株式市場では今月下旬に利下げが行われるという期待が続いています。

市場関係者は「今週から企業決算が始まり、きょうは良い結果はなかったものの、投資家の間では利下げがほぼ確実という安心感がベースにあり、株価は上昇した。市場は楽観的になっている」と話しています。

◆「現役女子高生 ピル飲んでます」誤解解いて

ツイートに反響

2019年7月16日 5時56分  NHKニュース

女性の生理の痛みなどを和らげる治療薬としての低用量ピル。しかし避妊目的のイメージが強く、生理痛の治療に使うことが知られていないため、つらい思いをしたと訴える女子高生のツイートが反響を呼んでいます。


このツイートは “現役女子高生、ピル飲んでます” ということばから始まり、ピルについて保健の授業で学んだときの経験を書き込んでいます。

ツイートでは「先生が『皆さんの中で飲んでる人はいないと思うけど』と言っていて悲しくなりました」「ピルは『避妊』目的だけじゃありません。教師が進んで生理がつらい女の子の肩身を狭めないで」などとつづっていて、ピルが生理の痛みを和らげるために使われていることを多くの人に知ってほしいと訴えています。

ツイートには大きは反響があり、「避妊目的以外の用途があると初めて知った」「大人たちにも知識のアップデートをしてほしい」「本当にいろんな理由でピルを服用するということが広まればいいのに」といった声が次々と上がっていて、低用量ピルの効果がまだ十分に知られてなく、体だけでなく心の面でもつらさを感じている女性がたくさんいることがうかがえました。

聖路加国際病院の女性総合診療部の百枝幹雄部長は「女性の生活を改善するために有効な薬だが、多くの人が避妊目的だけだと誤解している。最初は患者も親も抵抗があり、誤解されたくなくて周りの人に言えないという人も多い。生理痛は病気になり始めている可能性があり、低用量ピルはその予防にもつながる。痛みがあれば、恥ずかしがらず産婦人科に来てほしい」と話しています。


誤解を受けた体験者は

酒井未来さん(22)は反響を呼んだツイートに「私も高校生の時にピルを服用していた」とリツイートしました。

16歳のころから授業を受けるにもつらいくらい生理痛がひどくなり、「当時は痛すぎて立っていられずあぶら汗もかいているという状況だった。授業を受けることも苦しく学校に行きたくないなという感じにもなった」と話しています。

そして子宮内膜症と診断され、低用量のピルを処方されました。

すると、痛みもなくなり、生理前に気分が落ち込むことも改善されたと言います。

酒井さんは「生理痛がひどいときも周囲の人から、ピルなんて飲むもんじゃないとか、ある医師からは生理痛なんだからがまんしなよと言われたこともあって傷ついた。ただ私も当時はピルは避妊のためだけじゃないとしっかり伝える勇気がなかった」と話しています。

そして「学校などでピルのさまざまな効果を教えてくれるようになれば、生理に苦しむ女性も誤解を受ける女性も減ってくると思う。女性だけでなく男性にもピルについての知識を持って誤解をなくしてほしい」と話しています。


授業で取り上げる学校も

ピルのさまざまな効果について授業で取り上げている学校も出てきました。

埼玉県立春日部女子高校で保健体育を担当している大久恵利教諭は授業の中で、低用量のピルは生理の痛みを和らげたり生理の周期をコントロールできたりすることを伝えています。

また、スポーツの試合や旅行が生理と重ならないように調整するときに使用することも取り上げていて、避妊のためでなく女性が生活しやすくなるために使われる薬だということを授業の中で強調していました。

授業を受けた生徒は「知らなかったことばかりで、ピルにはいろんな使い方があることが初めて分かりました」「生理が本当につらかったら、きちんと産婦人科に行かなければと思いました。ピルについての偏見がだんだんと減っていけばいいなと感じています」などと話していました。

2019年07月14日

◆サンマ 資源量が大幅に減少

漁獲量の規制を提案の方針

2019年7月14日 5時12分  NHKニュース


不漁が続いているサンマについて、資源量が大幅に減少し、将来にわたって持続可能とされる最適な水準を下回っていることが分かりました。日本は今月16日から開かれる国際会議で、サンマの漁獲量の規制を提案する方針です。


サンマなどの資源管理を協議する国際的な委員会は、北太平洋のサンマの資源量を初めて科学的に推計した報告書をまとめました。

それによりますと、北太平洋のサンマ資源量は、2000年代の初めには400万トンでしたが、その後、減少が続き、おととしには130万トンと3分の1に減ったとしています。
さらに、去年までの3年間の平均でみると、将来にわたって持続可能にするため最適とされる資源量を2割程度下回っていることが分かりました。

報告書では、今のペースで取り続けると、資源量の十分な回復が見込めなくなるおそれがあると指摘しています。

これを受けて、水産庁は今月16日から東京で開かれる国際会議で、北太平洋でのサンマの漁獲量の規制を提案する方針です。

北太平洋では中国や台湾がサンマの漁獲を増やしていて、日本としては新たに規制を設けることで、サンマの資源量を最適な水準まで回復させたい考えです。ただ、会議は全会一致が原則で、これまで規制の導入に反対してきた中国などの動向が焦点となります。


国内のサンマ不漁続く

国内のサンマの漁獲量は20万トンから30万トンほどで推移してきましたが、2015年からは10万トン前後と不漁が続いています。特におととしは8万4000トンと、平成以降では最も少なくなりました。

「北太平洋漁業委員会」が管理する北太平洋でサンマを漁獲している国と地域による漁獲量は、過去10年はおおむね年間40万トン程度で推移していますが、日本が占める割合は年々、減少しています。

代わって増えているのが、所得の上昇などに伴って魚の消費が増えている中国や台湾で、最近では台湾の漁獲量が日本を上回っています。

一方、サンマの小売り価格をみると、東京23区のスーパーなどでの調査では、2015年は平均で100グラム当たり80円でしたが、その後上がり続け、去年は104円と、漁獲量の減少に伴って価格が上昇する傾向にあります。


漁獲量のデータ基に規制提案へ

「北太平洋漁業委員会」は、北太平洋の公海のサンマやサバなどを対象に資源管理を行う国際機関で、2015年に設立されました。日本のほか、中国、韓国、台湾、ロシア、アメリカ、カナダ、それにバヌアツの8つの国と地域が参加して、毎年、会議を開いています。

サンマの漁獲規制が本格的に議論されたのはおととしの会議からで、今回は3回目の議論です。
日本はこれまでに国や地域ごとに漁獲できる上限である「漁獲枠」を設けることを提案してきましたが、中国などが「サンマの資源量を示す科学的な根拠がない」などと反対してきました。

そこで、今回、日本は委員会が初めてまとめたサンマの資源量のデータを基に漁獲量の規制の必要を訴え、これまでなかった規制を設けたい考えです。

会議での合意は全会一致が原則で、サンマの資源量について報告書がまとまったことで、これまで規制の導入に反対してきた中国などが賛成するかが焦点となります。


「漁獲量にブレーキかける仕組み作りが急務」

水産資源の管理に詳しい東京海洋大学の勝川俊雄准教授は「今のうちに、漁獲量にブレーキをかける国際的な仕組みを作っておくことが急務だ」と指摘しています。

そのうえで、日本が議長国としてサンマの漁獲量について規制を設けることを提案することについて、勝川准教授は「まずは、全体の漁獲量を抑えることで合意することが大事で、各国の枠を決めないのであれば賛成になりやすいだろう」と述べました。