2017年09月13日

◆総菜食べた3歳女児が死亡 O157検出

(9月13日 14時55分  NHKニュース)

群馬県と埼玉県にある総菜店で販売されたポテトサラダなどを食べた人から相次いでO157が検出された問題で、前橋市にある同じ系列の店舗で購入した総菜を食べた東京都内の3歳の女の子が死亡していたことがわかりました。女の子からもO157が検出され、遺伝子の型は一連の問題で感染した人たちから検出された型と一致したということです。この問題で死者が出たのは初めてです。

先月、群馬県と埼玉県にある総菜店「でりしゃす」の4つの店舗で加工販売されたポテトサラダやコールスローサラダなどを食べた23人が腹痛などを訴え、このうち20人から腸管出血性大腸菌O157が検出されました。

このうち、前橋市の六供店では、これまでにポテトサラダなどを食べた9人からO157が検出されましたが、前橋市によりますと、新たにこの店の総菜を食べた東京都内の3歳の女の子が死亡していたことがわかりました。

前橋市や厚生労働省によりますと、この女の子は前橋市に家族で帰省していた際に六供店で購入した総菜を食べたあと、先月11日に体調の異常を訴え、東京都内の病院に入院していましたが、今月8日に亡くなったということです。

また、この女の子からもO157が検出され、厚生労働省によりますと、遺伝子の型を調べたところ、一連の問題でこれまでに感染した人たちから検出された型と一致したということです。
この問題で死者が出たのは初めてです。

このほかにも、別の1人の感染も分かり、一連の問題でO157に感染した人は、13日現在、4つの店舗で亡くなった女の子を含め22人となりました。

市の保健所は、午後3時から会見を開き、詳しい経緯などについて説明することにしています。

この問題で、休業を続けていた同じ系列の関東地方にある総菜店など17店舗は、今月7日に全店再開したばかりでしたが、女の子が亡くなったことを受けて、前橋市の六供店を自主的に休業するということです。


女の子が亡くなったことを受けて、群馬県太田市にある総菜店の運営会社「フレッシュコーポレーション」は「亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。原因が解明されるまでの間、でりしゃす六供店を自主的に休業させていただくこととしました。引き続き感染源の特定に向け、保健所の調査に全面的に協力してまいります」とコメントしています。


問題の経緯

この問題が明らかになったのは先月21日でした。
埼玉県熊谷市にある総菜店「でりしゃす籠原店」で加工販売されたポテトサラダを食べた5歳の女の子からO157が検出され、一時、意識不明となりました。

このあと、感染者は拡大し、これまでに埼玉県熊谷市にある「籠原店」の利用客9人、「熊谷店」の利用客1人、群馬県では前橋市の「六供店」の利用客9人、伊勢崎市の「連取店」の利用客1人、合わせて20人からO157が検出されていました。

一連の問題で、埼玉県熊谷市の籠原店と前橋市の六供店が営業停止の処分となり、総菜店の運営会社はこの2店舗を含む関東地方の17店舗すべてで先月24日から休業していましたが、衛生管理を強化したとして、今月7日、全店で再開していました。

そして、13日、六供店の総菜を食べた東京都内の3歳の女の子が今月8日に死亡し、O157が検出されていたことがわかりました。この問題で死者が出たのは初めてです。

このほか、別の1人の感染もわかり、一連の問題でO157に感染した人は13日現在、4つの店舗で亡くなった女の子を含め、22人となりました。


混入経路は依然不明

一連の問題で、国立感染症研究所がこれまでにO157に感染した人たちから検出された細菌を検査した結果、同じ遺伝子の型が検出されたということです。群馬県と埼玉県の保健所は、O157の混入経路を詳しく調べてきましたが、これまでのところ特定されていません。

このうち、ポテトサラダを製造した高崎市の食品工場に残っていたポテトサラダのすべてのサンプルや調理器具、それに従業員の便も調べましたが、O157は検出されず、工場の製造過程での混入の疑いは確認できなかったということです。

また、前橋市の店舗では、コールスローサラダやマリネなどを食べた人からもO157が検出されましたが、店内の調理器具や従業員の便からも細菌は検出されませんでした。

さらに、埼玉県熊谷市内の2つの店舗でも、調理器具やすべての従業員の便などからはO157は検出されませんでした。

厚生労働省によりますと、同じ遺伝子の型の菌は関東地方を中心に全国で検出されていて、保健所を通じて感染者から発症した時期の食事や行動をさらに詳しく聞くなどして、引き続き感染源などを調べることにしています。


過去の死亡例と注意点

O157は腸管出血性大腸菌と呼ばれる大腸菌の1種で、主に、牛や羊などの家畜の腸の中にいます。

わずか100個ほどの菌でも発症するほど感染力が強いのが特徴で、人には、汚染された水や食べ物が口の中に入ることなどで感染し、1週間ほどの潜伏期間の後、激しい腹痛や発熱、それに、血便などの症状が出るのが特徴です。

通常は2週間ほどで回復するとされていますが、発症した人の7%ほどは症状が現れて2週間ほどの間に大腸菌が出す毒素の影響で、脳症のほか、意識障害や腎不全などを引き起こす溶血性尿毒症症候群を発症するとされ、死亡例も報告されています。

国内では毎年、O157などの腸管出血性大腸菌感染症の患者が3000人から4000人ほど報告されています。

O157が原因となった死亡例は、平成8年に大阪府堺市の小学校で給食を食べた児童に集団感染が起き、9500人余りが感染し、半年のうちに小学生3人が死亡して社会的な問題になりました。

その後も全国各地で死亡する例が続き、平成24年には札幌市の食品会社が作った漬け物が原因で北海道内の169人が食中毒になり、8人が死亡したほか、去年、東京・羽村市と千葉県市川市の老人ホームで合わせて10人が死亡しています。

ことしは、8月に札幌市の病院で高齢の男女3人が死亡したほか、同じく札幌市内の高齢者向けのグループホームでも入所者2人が死亡しています。また、群馬県や大阪府でも高齢者の死亡例が報告されています。

専門家によりますと、感染を予防するためには、食品を十分加熱したり、調理後の食品はなるべく食べきるなどの対策が必要なほか、調理を行う人は体調管理や手洗いなどの徹底、それに生肉とサラダなどの調理を同じ場所で行わないなどの対策も必要だということです。
また、腹痛や発熱など、疑わしい症状が出た場合は、早めに医療機関を受診して経過を見ることが大切だということです。
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