2017年06月19日

◆強毒ヒアリ 神戸港周辺で調査

(06月19日 17時03分   NHKニュース)

強い毒を持つ南米原産のアリ「ヒアリ」が、神戸港に陸揚げされたコンテナの中だけでなく、新たにコンテナ置き場でも見つかったことを受けて、市は、ヒアリが周辺に広がったおそれもあるとして、捕獲用の「トラップ」を設置して調査を進めています。

「ヒアリ」は、強い毒を持つ南米原産のアリで、刺されると呼吸困難などのショック症状を起こして死に至ることもあります。

先月26日に、神戸港で陸揚げされ兵庫県尼崎市に運ばれた中国・広東省からのコンテナの中から数百匹が国内で初めて見つかり、さらに今月16日には、コンテナが5日間保管されていた神戸港のコンテナ置き場でも、およそ100匹が見つかっていました。

神戸市は、ヒアリが周辺に広がったおそれもあるとして、害虫駆除の専門業者とともに、19日、コンテナ置き場の周辺に捕獲用の「トラップ」を設置するなど調査を進めています。

トラップは粘着剤が付いたプラスチック製の板で、市では、あわせて450か所に設置しヒアリがいないか確認することにしています。
神戸市みなと総局海岸防災課の青位宙係長は、「ヒアリが広がっていないかチェックして、市民の安全を確保したい。見つけた場合、すぐに連絡してほしい」と話していました。

【港近くの保育園で調査】

ヒアリが、神戸港のコンテナ置き場で新たに見つかったことを受けて、神戸市は職員を、港近くの保育園に派遣し、ヒアリがいないか調査を行いました。

神戸市の職員が訪れたのは、神戸港の近くにある2か所の保育園です。
園内に置かれているプランターを持ち上げたり、遊具の近くを見たりして、ヒアリがいないか確認していました。

また、保育園やその周りの草などが生えている場所でも、ヒアリの巣がないか見回っていました。
市によりますと、これまでのところ新たなヒアリは見つかっていないということです。
調査をした市の職員は、「ヒアリを万が一見つけても触らないですぐに連絡するようお願いします」と話していました。

【幼稚園が対策】

ヒアリが、神戸港のコンテナ置き場で、新たに見つかったことを受けて、近くの幼稚園では、外で遊ぶ際に、子どもたちに靴を履かせるなどの対策をとっています。

神戸港のコンテナ置き場から、およそ3キロ離れた神戸市中央区の「港島幼稚園」では、これまで園児が園内の庭で遊ぶ際、はだしで遊んでいましたが、19日から靴を履かせるようにしています。
また、万が一ヒアリが侵入していた場合に見つけにくいとして、砂場の利用を一時的に中止する措置もとりました。

園児の保護者は、「やっぱり怖いです。子どもたちは虫が好きですぐに触ってしまうので、幼稚園が対策をしてくれていると安心です」と話していました。

港島幼稚園の三木扶美子園長は「子どもたちにはアリに近づかないことや、靴を履くように指導しています。安全のため、できるかぎりの対策をしたいと思います」と話していました。
【住民に注意呼びかけ】

ヒアリが、新たに見つかったことを受けて、神戸市は、神戸港の近くの7500世帯に、注意を呼びかけるチラシを配布しました。

チラシには、ヒアリを見つけた場合でも素手で触らないことや、刺された場合の対応などが書かれています。
チラシを受け取った70代の女性は、「チラシを見て驚きました。

孫がすぐに草花や虫を触ったりするので心配です」と話していました。

また、週に2回ほど、花壇の手入れをしているという60代の女性は、「草などを触る機会が多いので、これからは手袋をするようにします。自分自身で防御しないといけないと思いました」と話していました。
【ヒアリ 環境省の対策】

今回見つかったヒアリについて、オーストラリアや中国、台湾などで相次いで見つかっていることから、環境省は、10年以上前から特定外来生物に指定して、国内への侵入を警戒していました。

平成21年には、ヒアリの生態や駆除のしかたを紹介するパンフレットを特別に作成して、全国の空港や港にある税関や検疫所などに、警戒を呼びかけていました。

また、年に1度は専門家とともに、全国の主要な港や空港に出向いて、周辺の道路や草むらにヒアリが侵入して生息していないか、目視で確認するモニタリング調査を行ってきました。

今回の発見を受けて環境省は、専門家とともに、ヒアリが見つかったコンテナ置き場で、どの程度、生息しているのか調査を続けるとともに、敷地の周りに毒の入ったエサや、アリを捕まえる粘着物を仕掛けて、ヒアリが外部に広がるのを防ぐ対策を進めています。

環境省外来生物対策室の曽宮和夫室長は「アリのようにサイズが小さい生物は国内に入ってくるのを完全に防ぐのは難しい。今回はコンテナの周辺だけで見つかっていて、広範囲に広がっているわけではないとみられる。どこまで分布しているのかを把握した上で、これ以上広がらないように抑え込んでいくことが重要だ」と話しています。

また、「台湾など近隣の国でも見つかっているので、ほかの港や空港から侵入する危険性がある。情報を広く周知し、監視を続けていく必要がある」と指摘しています。

その上で、万が一、不審なアリを見つけた場合の対処法について、「ヒアリは見わけにくいので、注意することは難しいが、見慣れない小さいアリがいたら触らないでほしい」と呼びかけています。
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